JRと京急線の乗り換え駅にもなっている品川駅が「駅そばの聖地」と称されているのをご存知だろうか。実はかつては全国の駅、しかもその多くはホームで「駅そば」が営業、その味とスピードを競っていましたが、今ではその「駅そば」も絶滅危惧種。そんななかでJR品川駅には山手線、横須賀線のホームに「常盤軒」(ときわけん)が営業しているのです。
昭和39年に立ち食いそばの営業をスタート

品川駅の山手線内回りホーム(1番線)と、総武線快速・千葉方面行きホーム(13番線・14番線)で香しい出汁(だし)の香りを漂わせるのが「常盤軒」の立ち食いそば。
もともと常盤軒は、大正11年、品川駅での立売営業権を得たことに始まる老舗です。
鉄道大臣・大木遠吉(おおきえんきち)は、明治維新の十傑のひとり、薩摩藩の小松帯刀(こまつたてわき/維新の功績で伯爵に、明治3年没)が幕末に、すでに鉄道敷設建白書を提出していることを鑑み、その子孫の小松重春(伯爵)に品川駅での立売営業権を与えたもの。
こうして、小松重春は大正12年、「常盤軒」として駅弁の販売を開始、昭和39年に立ち食いそばの営業を始めたのです。
平成22年に駅弁の販売は終了していますが、駅そばだけは今も健在で、山手線では唯一、ホームにある駅そばとなっているのです。
そのため、「駅そばの聖地」ともいわれるように。
品川駅はエキナカとしてエキュート品川があり、「常盤軒」もエキュート品川サウスで「かき揚げ蕎麦 吉利庵」と居酒屋「品川 ひおき」を営業していますが、それとは別にホームで営業するのが立ち食いそば店。
過去には東海道線のホーム、京浜東北線ホームで、品川23号そば店、品川24号そば店と合計5店舗営業していましたが、東海道線ホームは平成20年、京浜東北線ホームも平成30年に閉店しています。
現在営業するのは、JR東日本リテールネットから受託というかたちで、品川22号そば店(山手線内回りホーム大崎寄り)、品川26号そば店(横須賀線東京・千葉方面ゆきホーム東京寄り)で、とくに横須賀線ホームは千葉県民の利用が多いということで、山手線ホームよりも味を濃くしているとのこと。
かつての駅のホームの立食いそばは、蒸気機関車の給水時間、蒸気機関車から電気機関車への付替時間など、待ち時間を活かしての食事として主要駅では当たり前のように見られた光景で、夜行列車向けの夜間や早朝の営業もあったほどです。
常盤軒のそばは、そばの実を皮ごと練り込んだ挽きぐるみ。
田舎そばとも呼ばれますが、静岡県焼津市から取り寄せたかつお節とマグロエキスの合わせだし、さらに関東風のツユのパンチ力には、この黒っぽいそばがピッタリとマッチするのです。
駅弁をやめたのはコンビニの弁当に押されたから。
駅そばもまさに風前の灯火の状況ですが、10坪の狭い店で高回転率ゆえに、今も営業を続けることができているのです。
常連客のなかには、「東京に来たなら必ず寄る」というファンも数多く、今では「駅そばの聖地」とさえ称されるように。
品川駅に行く機会があったなら、ぜひ一度お立ち寄りを。
| 【昭和レトロな旅】駅そばの聖地、品川駅の「常盤軒」へ! | |
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