国立天文台・天文機器資料館(自動光電子午環)

国立天文台・天文機器資料館(自動光電子午環)

東京都三鷹市、国立天文台三鷹キャンパスにある天体の精密位置観測に平成12年まで使用していた観測施設を資料館に再生したのが国立天文台・天文機器資料館(自動光電子午環)。半円筒状のドームを横たえたような建物は昭和57年築。ドーム部分が天文機器資料館となっています。

天文学の様々な研究に役立った施設を、資料館として公開

子午環(しごかん/meridian circle)は、子午線上の天体の位置(赤経と赤緯)を精密に観測できるように工夫された望遠鏡。

ゴーチェ子午環室にあるゴーチェ子午環による眼視での位置測定では、観測者による誤差が大きかったことから、昭和57年に光電マイクロメータを用いた自動光電子午環に変更され、この施設が使われるようになったのです。
自動光電子午環の導入で、眼視観測の5倍の観測能率となり、12等級までの星や銀河の位置を1回の観測により0.1秒の精度で決定することができるようになったのです。

ドームの南北にある窪地の中には、地上基準点である「子午線標」が配されています。

平成元年8月8日、欧州宇宙機関(European Space Agency, ESA)によって打ち上げられた人工衛星・ヒッパルコス (Hipparcos)により、地上からの観測よりも10倍も精度良く全天の恒星の位置が観測できるようになったため、地上から大気を通して星の位置観測をする必要がなくなり、国立天文台の自動光電子午環は15年でその役割を終えたのです(ヒッパルコスも平成5年に運用終了)。

国立天文台・天文機器資料館(自動光電子午環)
資料館の南北はすり鉢状なっていて子午線標が置かれ、地上の基準点となっていました
国立天文台・天文機器資料館(自動光電子午環)
名称 国立天文台・天文機器資料館(自動光電子午環)/こくりつてんもんだい・てんもんききしりょうかん(じどうこうでんしごかん)
所在地 東京都三鷹市大沢2-21-1
関連HP 国立天文台公式ホームページ
電車・バスで JR武蔵境駅から小田急バス狛江駅北口行きで15分、天文台前下車
ドライブで 中央自動車道調布ICから約2km
駐車場 見学者用駐車場(54台/有料)
問い合わせ 国立天文台 TEL:0422-34-3600
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
国立天文台・ゴーチェ子午環室

国立天文台・ゴーチェ子午環室

東京都三鷹市、国立天文台三鷹キャンパスにある大正13年築で、国の登録有形文化財に指定され建築物が、国立天文台・ゴーチェ子午環室。子午線上の天体の位置(赤経と赤緯)を精密に観測できるように工夫された望遠鏡「ゴーチェ子午環」を設置した施設。半円

国立天文台・第一赤道儀室

国立天文台・第一赤道儀室

東京都三鷹市、国立天文台三鷹キャンパスにある大正10年築のドームが、国立天文台・第一赤道儀室。大正13年9月の国立天文台の麻布から三鷹への移転を前に、東京帝国大学営繕課の設計で建てられた建物で、国の登録有形文化財に指定。内部には口径20cm

国立天文台・大赤道儀室(天文台歴史館)

国立天文台・大赤道儀室(天文台歴史館)

東京都三鷹市、国立天文台三鷹キャンパスにある大正15年築の建物が、国立天文台・大赤道儀室(天文台歴史館)。円筒状の鉄筋コンクリート造りの建物に、直径14.5m、高さ19.5mの銅板葺き鉄骨造りの木製ドームを載せた大きな天文ドームで、国の登録

国立天文台・太陽分光写真儀室(太陽塔望遠鏡・アインシュタイン塔)

国立天文台・太陽分光写真儀室(太陽塔望遠鏡・アインシュタイン塔)

東京都三鷹市、国立天文台三鷹キャンパスにある昭和5年築の建物が、国立天文台・太陽分光写真儀室(太陽塔望遠鏡・アインシュタイン塔)。アインシュタインの相対性原理の検証を主目的として建てられたことから、アインシュタイン塔と呼ばれています。国の登

国立天文台・レプソルド子午儀室(子午儀資料館)

国立天文台・レプソルド子午儀室(子午儀資料館)

東京都三鷹市、国立天文台三鷹キャンパスにある大正14年築の建物が、国立天文台・レプソルド子午儀室(子午儀資料館)。子午線(天頂を通り真北と真南を結ぶ線)上を通過する天体を観測し、その地の経度や時刻を決める子午儀を置く施設で、国の登録有形文化

国立天文台・旧図書庫

国立天文台・旧図書庫

東京都三鷹市、国立天文台三鷹キャンパスのレプソルド子午儀室(子午儀資料館)近くにあるのが、国立天文台・旧図書庫。昭和5年3月31日築のレトロな建物で、「国立天文台旧図庫及び倉庫」として国の登録有形文化財に指定されています。登録名は旧図庫(き

国立天文台・門衛所(守衛所)

国立天文台・門衛所(守衛所)

東京都三鷹市、国立天文台三鷹キャンパスの正面玄関の北側、見学の受付場所にもなっているのが、国立天文台・門衛所(守衛所)。大正13年2月22日築、国立天文台三鷹キャンパス内に現存する唯一の木造洋風建築で、国の登録有形文化財に指定されています。

国立天文台・天文機器資料館(自動光電子午環)

関連記事

よく読まれている記事

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!