東京都八丈町、八丈島の西にある属島(無人島)が、八丈小島。島の中央に標高616.8mの大平山(おおたいらさん)がそびえ、島の周囲は断崖に囲まれていますが、水深400mから盛り上がるドーム状の高まりの上の火山体です(八丈島も西山、東山という2つの火山体が結合した島)。
かつて島には鳥打村、宇津木村の2村が!
八丈島同様に近世では流刑地として使われた島で、江戸時代以降には島の北西部に鳥打村、南東部に宇津木村の2村が置かれていました(昭和30年4月1日、八丈村、大賀郷村と合併し廃村、八丈町が発足)。
定住の始まりは定かでありませんが、中世にはすでに人の暮らしがあったと推測されています。
宇津木村は、昭和30年に八丈村と合併するまで人口が50人程度だったため、戦後も村議会は置かれず、日本で唯一の直接民主制(地方自治法94条で「総会」と規定)を採用していました。
週1回の定期船就航は、昭和33年から、マレー糸状虫(フィラリアの一種)による象皮症にも悩まされるといった、困難な生活環境で、過疎化が進行、自給自足の困難などの理由から、昭和44年3月31日に全島民24世帯91人が集団離島し、八丈小島は無人島になりました。
国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定するクロアシアホウドリが、八丈小島で産卵しているのが確認され、世界最北端の繁殖地になっています。
かつて島民が飼っていたヤギが野生化していましたが(ヤギ10頭ほどが野生化して800頭まで増大)、平成14年に駆除されたことで、クロアシアホウドリの繁殖が始まったと推測されています(これまでは300km南にある鳥島が最北端の繁殖地でした)。
八丈小島は、南原千畳岩海岸から眼前に眺望できるほか、周辺の海域はダイビングポイントにもなっています。
八丈小島は、富士箱根伊豆国立公園の第一種特別地域に指定されています。
入島にあたっては「Project WAVE」が実施するガイド付きのツアーで上陸を(八重根漁港から漁船に乗船し、島打港跡に上陸、集落跡などを探訪)。
ちなみに、八丈島周辺の海域では、慶長10年(1606年)に海底火山の噴火の記録がありますが、場所が定かでありません。
八丈小島 | |
名称 | 八丈小島/はちじょうこじま |
所在地 | 東京都八丈町 |
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