東京の大学
プレスマンユニオン編集部
慶應義塾図書館(旧館)
東京都港区三田2丁目、慶應義塾大学三田キャンパス内にあるのが、慶應義塾図書館(旧館)。創立50周年記念として明治45年5月18日に完成した慶應義塾図書館は、赤レンガを主体とした重厚壮麗なイギリス風ゴジック建築で、慶應義塾のシンボル的な存在。国の重要文化財にもなっています。
館内には「福澤諭吉記念慶應義塾史展示館」も
完成祝賀会時の慶應義塾図書館
慶應義塾大学は、中津藩士・福澤諭吉が藩命で江戸築地鉄砲洲(現・東京都中央区明石町)の中津藩中屋敷内に、安政5年(1858年)開校の「蘭学塾」が前身(後に「英学塾」に改称)。
慶應4年・明治元年(1868年)、芝新銭座(現・東京都港区浜松町)の有馬家(久留米藩)控屋敷跡に移転していますが、年号にちなんで慶應義塾と改称(義塾は英語のパブリックスクールに由来)。
明治4年、三田島原藩中屋敷跡地を貸し下げられ、現在の三田キャンパスの地に移転しています。
慶應義塾図書館が完成した明治44年には、三高(京都大学の前身)との蹴球(ラグビー)試合が行なわれた年で、これが日本人同士の日本最初のラグビー対校試合です。
ゴシック様式の慶應義塾図書館(旧館)は、ジョサイア・コンドルに学んだ曾禰達蔵(そねたつぞう=三菱煉瓦街を設計)、中條精一郎(ちゅうじょうせいいちろう)の設計。
正面の時計の文字盤には、数字ではなく、ラテン語で「時は過ぎゆく」を意味する「TEMPUS FUGIT(テンプスフギット)」の11文字が刻まれ、12時の位置には砂時計がデザインされるというお洒落なもの。
玄関正面の階段踊り場には「ペンは剣よりも強し」の意のラテン語が入ったステンド・グラスが取り付けられています。
地上2階、地下1階のレンガ建築に、当初20万冊(昭和2年の書庫増築で45万冊)の収蔵能力と200席余りの閲覧席を擁する仕様は、当時の大学図書館として他に類のないものでした。
昭和56年に新図書館が完成したことで、図書館としての役割を終え、その後、耐震工事が行なわれて、現在では「福澤諭吉記念慶應義塾史展示館」などが入っています。
慶應義塾図書館(旧館) |
名称 |
慶應義塾図書館(旧館)/けいおうぎじゅくとしょかん(きゅうかん) |
所在地 |
東京都港区三田2-15-45 |
関連HP |
慶應義塾史展示館公式ホームページ |
|
電車・バスで |
都営地下鉄三田駅から徒歩7分、都営地下鉄赤羽橋駅・JR田町駅から徒歩10分 |
駐車場 |
周辺の有料駐車場を利用 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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東京駅・銀の鈴
東京都千代田区丸の内1丁目、東京駅地下1階、八重洲地下中央口改札を入った広場が、銀の鈴広場(グランスタ東京銀の鈴エリア)で、そこに置かれたモニュメントが銀の鈴。丸の内側とを結ぶ中央地下通路にあるので、待ち合わせスポットにもなっています。 4代目の銀の鈴が、東京...
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鍋島松濤公園
江戸時代には徳川御三家で吉宗を排出した紀州藩徳川家の下屋敷だったち地。元佐賀藩主の鍋島家が明治9年、この地に茶園を開いて「松濤」(しょうとう)の銘で売り出しました。後に一帯は宅地化され、高級住宅地として分譲されましたが、池泉周辺のみ児童遊園として公開。昭和7年...
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板橋宿・縁切榎
東京都板橋区本町、街道時代の中山道板橋宿にある伝説の榎が、縁切榎(えんきりえのき)。石神井川を渡る板橋の北に続く、仲町商店街の一画にあり、幕末の文久元年(1861年)、皇女和宮が14代将軍・徳川家茂に嫁ぐ際の行列は、縁起が悪いということでわざわざ迂回したと伝え...
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東京の飛行機撮影スポット3選| 頭上を飛行機が飛ぶ!
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奥多摩湖・麦山の浮橋(ドラム缶橋)
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東京の無料展望台 高さ順BEST8
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東京水辺ライン両国発着場
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慶應義塾図書館(旧館) |
名称 |
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所在地 |
東京都港区三田2-15-45 |
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都営地下鉄三田駅から徒歩7分、都営地下鉄赤羽橋駅・JR田町駅から徒歩10分 |
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