馬水槽

馬水槽

東京都新宿区新宿3丁目、JR新宿駅の東口駅前広場にあるのが、馬水槽。赤花崗岩で造られた水槽で、前面の上部が馬用、下部が犬猫用の水飲み場、その裏面が人間の水飲み場という珍しいもの。明治39年、当時の東京市役所前(現在の千代田区、東京国際フォーラム)に設置されたものを移設保存。

ロンドン市水槽協会寄贈の馬水槽が新宿駅東口に現存!

ヨーロッパで実際に使用された馬の飲料水道で、「日本の近代上水道の父」といわれる中島鋭治(なかじまえいじ)が東京府東京市水道技師から東京帝国大学土木工学教授に就任した明治34年に欧米視察出張、その際、ロンドン水槽協会(倫敦水槽協会)から日本に寄贈されたという由緒あるものです(明治39年、東京市役所前に設置)。
ライオンをかたどった口から給水される馬用のほか、犬猫用の水飲み場があるのが、いかにもヨーロッパ的。

大正時代の初めまでは荷馬車を引いた馬の水飲み場として活用されましたが、大正7年、麹町の東京市水道局守護門前に移設。
その後、関東大震災もあり、昭和32年に淀橋浄水場に設置、さらに昭和39年、新宿駅東口ステーションビル(現・ルミネエスト新宿)の完成を記念して「みんなの泉」と命名され新宿駅東口に移設保存されています(東京都の有形文化財)。

東京都水道歴史館にはレプリカが展示され、人気の展示物になっていますが、実物は、意外にも新宿駅東口に。

東京都内では、馬水槽のほか、羽村取水堰と玉川上水(羽村市)、駒沢給水塔(世田谷区)、村山貯水池・山口貯水池(東大和市、埼玉県所沢市)、金町浄水場(葛飾区)、境浄水場(武蔵野市)、小河内ダム(西多摩郡奥多摩町)、元町浄水場(板橋区)とともに近代水道百選に選定されています。

馬水槽
名称 馬水槽/ばすいそう
所在地 東京都新宿区新宿3-38-1 JR新宿駅東口広場
電車・バスで JR・京王電鉄・小田急電鉄・東京地下鉄・東京メトロ・都営地下鉄新宿駅から徒歩3分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
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