北の丸公園

北の丸公園

東京都千代田区にある環境省の管理する国民公園が、北の丸公園。昭和44年に公園として開放された皇居の北側部分。園内には東京オリンピックの際、柔道場として建設された日本武道館など、多くの文化施設が点在。田安門、清水門は、江戸城の遺構で、国の重要文化財に指定されています。

園内には滝から流れ出る美しい渓流も

太田道灌の江戸城築城時には、将門信仰の津久戸明神(つくどみょうじん/現・築土神社)を移した田安明神のあった場所で、徳川家康の江戸入府後は、関東代官・内藤清成の屋敷地に。
さらに元和2年(1616年)、江戸城の拡張工事で、近世的な江戸城に取り込まれ、江戸時代半ばに田安徳川家、清水徳川家の屋敷が設けられました。

明治維新後は、皇居を守備する精鋭部隊、近衛師団が駐留し、その司令部も置かれています。
日本陸軍最初の歩兵連隊で、西南戦争にも従軍した近衛歩兵第1連隊、近衛歩兵第2連隊が配置されていましたが、その遺構はありません。
吹上御苑と隣接する赤レンガのゴシック建築は、明治43年、近衛師団司令部庁舎として建てられたもので、国の重要文化財(柵越しに外観のみ見学可能)。

千鳥ヶ淵、牛ヶ淵、清水壕と代官町通りに囲まれた部分が、国民公園に指定の皇居外苑エリアで、隣接して国民公園に指定の皇居東御苑(江戸城の本丸跡、二の丸跡、三の丸跡)があります。
北の丸公園の田安門をくぐった場所にあるのが、大学の入学式にも使われる日本武道館。
皇居東御苑側、代官町通り沿いには科学技術館、東京国立近代美術館も建っています。

自然も豊かで、冬にはユリカモメの群れが、また春には対岸の千鳥ヶ淵の桜が一望のもと。
ボート乗り場のある千鳥ヶ淵公園、千鳥ヶ淵緑道は千代田区の管理となります。
あまり知られていませんが北の丸公園には滝もあり、緑陰の散策にも絶好です。

昭和44年、北の丸公園オープンに合わせ、造園家・伊藤邦衛(いとうくにえ)が設計。
滝から落ちた水は渓流・風の川を通って、上の池、中の池、下の池に流れ込んでいます。
滝の水は下の池からポンプで汲み上げて循環。

この滝から池への流れで、日本造園学会賞(計画設計作品部門)を受賞しています。

北の丸公園
名称 北の丸公園/きたのまるこうえん
所在地 東京都千代田区北の丸公園1-1
関連HP 環境省北の丸公園公式ホームページ
電車・バスで 東京メトロ竹橋駅から徒歩5分。都営新宿線・東京メトロ半蔵門線九段下駅徒歩5分
駐車場 北の丸公園第1駐車場(145台/有料)、第2駐車場(107台/有料)、第3駐車場・武道館前(260台/有料)
問い合わせ 北の丸公園管理事務所 TEL:03-3211-7878
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

江戸城 清水門(重要文化財/北の丸公園)

江戸城北の丸(現・北の丸公園)の東門。高麗門と渡櫓門からなる門は、江戸時代のものが現存し、国の重要文化財に(文化庁の管理)。清水門という名の由来は、家康入府で江戸城が築城される以前、中世には清水寺が建っていたとか、清水が湧き出す土地だからと

江戸城 田安門(重要文化財/北の丸公園)

北の丸公園の日本武道館への入口に位置する門。太田道灌(おおたどうかん)築城時代の江戸城では、この場所が田安口(飯田口)で、上州(現・群馬県)・北関東方面への街道の玄関口となっていました。江戸時代初期、江戸城の総構が完成した時代の門が奇跡的に

旧近衛師団司令部庁舎(重要文化財/北の丸公園)

旧近衛師団司令部庁舎(重要文化財/北の丸公園)

東京都千代田区、北の丸公園の一画に建つレンガ造りの洋館が、旧近衛師団司令部庁舎(きゅうこのえしだんしれいぶちょうしゃ)。明治43年、天皇と宮城(皇居)を警護する最精鋭の師団、近衛師団の司令部として建てられたもので、2階建て、赤レンガ造りの庁

千鳥ヶ淵公園

千鳥ヶ淵公園

東京都千代田区三番町、江戸開府当時、牛ヶ淵とともに江戸城の飲料水を確保するための水源ダムとして造成されたのが千鳥ヶ淵。他の水堀とともに江戸城防御の役割を担っていました。現在では、千鳥ヶ淵公園として、千鳥ヶ淵緑道、千鳥ヶ淵ボート場が整備され、

千鳥ヶ淵緑道

千鳥ヶ淵緑道

東京都千代田区三番町、江戸開府当時、牛ヶ淵とともに江戸城の飲料水を確保するための水源ダムとして造成されたのが千鳥ヶ淵。大正8年、千鳥ヶ淵公園が開園し、昭和54年、千鳥ヶ淵緑道が整備され、散策にも最適な公園に進化しています。緑道はかつて路面電

千鳥ヶ淵緑道

千鳥ヶ淵緑道

東京都千代田区三番町、江戸開府当時、牛ヶ淵とともに江戸城の飲料水を確保するための水源ダムとして造成されたのが千鳥ヶ淵。大正8年、千鳥ヶ淵公園が開園し、昭和54年、千鳥ヶ淵緑道が整備され、散策にも最適な公園に進化しています。緑道はかつて路面電

吉田茂像

吉田茂像

東京都千代田区北の丸公園、清水門から北の丸公園に入った先に立つのが、吉田茂像(よしだしげるぞう)。戦後の日本を復興へと導いた内閣総理大臣・吉田茂を顕彰するため、吉田茂生誕100年を記念して昭和53年に寄付が集められ、昭和56年9月22日に除

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