東京都青梅市、秩父多摩甲斐国立公園内にある標高929mの山が、御岳山(みたけさん)。山頂に武蔵御嶽神社が鎮座し、山上まで御岳登山鉄道(御岳山ケーブルカー)が通じています。古くから山岳信仰で栄えた霊山で、者膳には宿坊街、そして南側には修験場でもある綾広の滝、ロックガーデンがあります。
武蔵御嶽神社には宿坊街(御師集落)も!
武蔵御嶽神社は、神仏分離以前、江戸時代までは金峰山御嶽蔵王権現と称したように、吉野山の金峯山寺と同じ、役小角(役行者・えんのぎょうじゃ)が吉野山で感得した蔵王権現を祀っていました。
日本古来の神道に、修験道、さらに仏教が混交した山岳信仰の関東における中心的な存在として繁栄し、それゆえに、山全体が神域として保護されてきました。
現在では「武蔵国を守る天空の神社」として有名で、ペット祈願も受け付けることから、ペット同伴での登山者が多いのも特徴です(御岳登山鉄道のケーブルカーもペット同伴OK/ペット料金が必要)。
また、御岳山の山頂からは関八州が展望できることから、古代には筑波山と同様に国見の山だったとも推測されています。
中世には青梅勝沼城主・三田氏の尊崇があり、室町時代の応永24年(1417年)に御岳山神領として 5000石を寄進しているので、奥多摩地方全域が御岳山の神領だったというほどに繁栄していたことがわかります。
江戸時代にも徳川家康は御岳山の存在を重視し、神領を安堵し、富士講同様に、御嶽講(みたけこう)が関東各地に組織され、山岳登拝ブームにより、現在の宿坊街(御師集落)である山岳宗教集落が誕生しました。
明治初期には、関東を中心に東海、山梨まで15万人もの講中を抱えていたのです。
明治初年の神仏分離、廃仏毀釈で、自然林や神木の一部は失われましたが、関東エリア、とくに多摩川流域でも屈指の原生的な環境が残されているのは、山岳信仰によって保護されてきたからです。
ケーブルカー御岳山駅を起点とする御岳山ハイキングコースは、武蔵御嶽神社、ロックガーデン(綾広の滝)を巡り、ケーブルカー御岳山駅を戻るもので、所要3時間。
武蔵御嶽神社往復だけなら1時間ほどです。
社前の宿坊に宿泊し、夜にムササビウォッチングなどを楽しむのもおすすめです。
夏の夜も森に囲まれていることもあって、下界に比べればかなり涼しいので、避暑に利用するファミリーも。
御師集落には、東京都御岳ビジターセンターもあり、御岳山に関する自然や登山道などの情報を得ることができるので、御岳山ハイキングコースを歩く際には、コースの最新情報を得るためにもぜひお立ち寄りを(幼児のオムツ替えスペースも完備)。
御岳山 | |
名称 | 御岳山/みたけさん |
所在地 | 東京都青梅市御岳山 |
関連HP | 青梅市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 御岳山ケーブルカー御岳山駅から徒歩20分 |
ドライブで | 圏央道日の出ICから約17kmで御岳登山鉄道ケ-ブルカー滝本駅 |
駐車場 | 滝本駅駐車場(154台/有料) |
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