ママ下湧水公園

ママ下湧水公園

東京都国立市矢川3丁目、多摩川河川敷公園の東にあるのが、ママ下湧水公園。東京の名湧水57選に選定のママ下湧水一帯を公園(0.37ha)として整備したもの。ママとは、崖を意味する古語。多摩川が武蔵野の大地を削ってできた崖線のひとつ、青柳崖線(府中崖線)の湧水で、環境保全のために公園化されています。

青柳崖線(府中崖線)からの湧水を保全した公園

ママ下湧水公園

国立市では、JR中央本線を国立駅の東で横切る国分寺崖線(武蔵野台地の南縁)、南武線の走る富士見台第三団地の南に立川崖線(2万年前に形成、崖線沿いに野川が流れる)、さらに南側の一段低い多摩川寄りには青柳崖線(1万5000年前に形成)が通り、ママ下湧水は青柳崖線下からの湧水ということになります。
多摩川が武蔵野台地の北側から現在の南側に流路を変える過程で、大きく台地を削り取った名残りが段丘と崖線で、堆積した砂礫層が崖の表面に現れ、その砂礫層を流れる地下水が崖下から流出するのが、ママ(崖)下の湧水というのがメカニズムです。

よく見ると高さ8mほどの段丘の下から水が湧き出していることがわかりますが、この段丘が多摩川によって形成された青柳段丘。
段丘下の低地が古代の多摩川の氾濫原ということになります。

ママ下湧水は、国立市内の湧水でももっとも豊富な湧水量を誇り(湧出量の多い夏場で毎秒35リットル程度)、昭和の初めまでは清冽な湧水を利用してワサビ栽培も行なわれていました。
現在も洗い場が設けられ、地元農家が野菜を洗ったりする姿を見かけることも。
また湧水の下流部にはホトケドジョウ、ザリガニも生息。

ママ下湧水公園からは、ハケ下の樹林に沿って散策道が続き、くにたち郷土文化館、城山公園から谷保天満宮まで散策も可能。

谷保天満宮〜ママ下湧水公園 散策コースタイム

JR南武線・谷保駅〜(徒歩5分)〜谷保天満宮〜(徒歩3分)〜常磐の清水〜(徒歩15分)〜城山公園・国立市古民家(旧柳澤家住宅)〜(ハケ下散策路経由・徒歩15分)〜くにたち郷土文化館〜(徒歩15分)〜ママ下湧水公園〜(徒歩15分 )〜南武線・矢川駅

ママ下湧水公園
名称 ママ下湧水公園/まましたゆうすいこうえん
所在地 東京都国立市矢川3-15
関連HP 国立市公式ホームページ
電車・バスで JR矢川駅から徒歩12分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 国立市生活環境部環境政策課花と緑と水の係 TEL:042-576-2111/FAX:042-576-0264
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
谷保天満宮

谷保天満宮

東京都国立市の甲州街道沿いに建つ古社、谷保天満宮(やぼてんまんぐう)。社伝によれば903年(延喜3年)、菅原道真の三男・菅原道武(すがわらみちたけ)が創建したといい、「野暮天」(やぼてん)という言葉の由来になったともいわれています。梅林は梅

ハケ下散策路

ハケ下散策路

東京都国立市谷保、ヤクルト中央研究所の脇に続く散策路が、ハケ下散策路。ハケとは崖のことで、太古、多摩川が武蔵野台地を削りながら転遷した河岸段丘の崖で、崖下は湧水源になっています。ハケ下散策路脇には谷保分水が流れ、西側のママ下湧水公園まで分水

矢川緑地

矢川緑地

東京都立川市羽衣町3丁目、立川段丘崖を水源として流れる矢川(延長1.3km)とその周辺に広がる自然を活かした貴重な緑地が、矢川緑地。上流部には湿地帯、下流部には樹林帯が隣接、各所に崖線からの湧水があるという武蔵野らしい風景が残され、湿地帯に

ママ下湧水公園

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