東京都新宿区戸塚町の早稲田大学早稲田キャンパスにあるチューダー・ゴシック様式の講堂が、早稲田大学大隈記念講堂。大隈講堂とも通称される講堂で、その近くの大隈重信像(おおくましげのぶぞう)と並び、早稲田大学のシンボル的な存在になっています。昭和2年10月20日竣工で、国の重要文化財に指定。
昭和2年築の大隈講堂は、国の重要文化財
大正11年、早稲田大学の創立者、大隈重信が没したため「故総長大隈侯爵記念事業」が立案され、記念大講堂の建設が決まり、設計コンペの当選案も選定されたところで、関東大震災が勃発。
震災後とあって募金も集まりが悪く、計画も頓挫していましたが、松平頼寿、渋沢栄一らの寄付もあって、早稲田大学大建築学科の佐藤功一教授(当初はコンペの審査員)と佐藤武夫助教授(音響工学の先駆者)が設計し、内藤多仲(構造学=東京タワーなど、タワー六兄弟の設計で有名)が構造を担当し、ゴシック様式で、演劇にも使える講堂が誕生したのです。
名前は講堂ですが、天井は音の反射を生かし、舞台の見え方も考えられ、劇場としても使えるように設計されています。
ロマネスク様式を基調としてゴシック様式を加味した我が国近代の折衷主義建築の優品として、高い価値があることから、国の重要文化財に。
鉄骨鉄筋コンクリート造りの大講堂は3階建てで1123席、地下1階は301席の小講堂。
外壁には手作りの焼き物タイル19万枚が張られています。
7階建ての時計塔がシンボルで、塔上の鐘は、米国ボルティモアのマクレエン社製で、今も8:00、9:00、12:00、16:00、20:00、21:00と1日6回、鳴り響かせています。
正門の真正面から少しズラして建てられているのは、見る人に威圧感を与えず、訪れた学生らを自然な姿で迎え入れられるようにという工夫。
早稲田大学では、會津八一記念博物館(旧早稲田大学図書館)が大正14年築、坪内博士記念演劇博物館が昭和3年築です。
早稲田大学大隈記念講堂 | |
名称 | 早稲田大学大隈記念講堂/わせだだいがくおおくまきねんこうどう |
所在地 | 東京都新宿区戸塚町1-104 |
関連HP | 早稲田大学公式ホームページ |
電車・バスで | 都電早稲田駅、東京メトロ早稲田駅から徒歩5分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 早稲田大学プロパティマネジメント TEL:03-5285-3015/FAX:03-5285-2885 |
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