東京都北区、赤羽の武蔵野台地にある真言宗智山派の寺が、普門院(ふもんいん)。妙覚山蓮華寺普門院が正式名で、龍宮城を模して昭和17年~18年頃に建てられた鉄筋コンクリート造りの山門がユニークです。創建年代は定かでありませんが、鎌倉時代の徳治2年(1307年)の開基ともいわれる古刹です。
龍宮城を模した山門が異色の雰囲気を醸し出す
文政13年(1830年)に完成した『新編武蔵風土記稿』によれば足立郡川口宿錫杖寺(しゃくじょうじ=現在の川口市にある錫杖寺)の末寺で、室町時代の文明18年(1486年)に没した宥鎮が中興。
普門院と川口の錫杖寺とは、江戸時代には徳川将軍家が日光社参につかった日光御成道(岩槻街道)で結ばれています。
それ以前には鎌倉街道が結んでいるので、交通の要衝にあった寺だということがよくわかります。
本堂は戦後に再建された鉄筋コンクリート造り、納骨堂はユニークなインド風です。
龍宮城風の山門から、黄檗山萬福寺(おうばくさんまんぷくじ/京都府宇治市)が総本山の黄檗宗(おうばくしゅう)を連想しますが、真言宗智山派の寺。
一帯は太田道灌が築城した稲付城(現在の静勝寺)があったことから、道灌山とも呼ばれ、龍宮城を模した山門の脇にも道観山稲荷があり、普門院が別当(神社を管理する寺)になっています。
毎年、初午(はつうま)の日には、道観山稲荷講の人々によって伝承される北区無形民俗文化財『稲付の餅搗唄』(いねつけのもちつきうた)が披露されています。
普門院 | |
名称 | 普門院/ふもんいん |
所在地 | 東京都北区赤羽西2-14-20 |
電車・バスで | JR赤羽駅から徒歩10分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 普門院 TEL:03-3900-6757 |
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