東京都小金井市、都立小金井公園内にある江戸東京たてもの園・東ゾーンにあるのが、小寺醤油店(こでらしょうゆてん)。下町の風情を楽しむことができるという東ゾーンに移築された味噌や醤油なども扱った酒屋で、建物のなかには、当時の暮らしや商売の道具、商品などが展示されています。
白金三光町の商店を、江戸東京たてもの園に移築
小寺醤油店は、白金三光町(旧白金村、現・港区白金5丁目)に大正時代創業、移築された昭和8年に建てられた出桁造り(だしげたづくり)の店舗で、醤油店という看板が掛かるものの本業は酒屋。
味噌、醤油などを量り売りしていました。
小寺家は、前沢村(現・東久留米市)出身で、中野の醤油醸造元で10年ほど修行した後、独立して白金に開店したため、醤油店の看板がかかっているのです。
小寺醤油店のあった白金三光町(三光とは町内の三光坂から採られた名で、名光・西名光・東名光をあわせた坂名)は、大正3年に、北里柴三郎の北里研究所、そして撞球場(ビリヤード場)、カフェ、ミルクホール、サーカス広場、演芸館などもあったハイカラな町。
江戸時代には屋敷が建ち並んだ台地(武家屋敷の跡地は明治時代、桑畑などに転用)、中小住宅や商店街のある古川沿いの低地に分けられ、小寺醤油店はこの商店街の中、三光通りに面して建っていました。
今では大使館の多い高級住宅街として知られていますが、当時は商店や鋳物工場などの町工場もある活気あふれる町でした。
第一次世界大戦で、芝浦の工業地帯が活気を呈し、その下請けの鋳物工場、メッキ工場が古川沿いに並び、商店が建ち並び、関東大震災でも大きな被害がなかったことから、昭和初期には商店街も全盛を迎えています。
小寺醤油店もそうした好景気を背景に、白金三光に出店、地域に愛される酒屋だったのです。
江戸東京たてもの園・小寺醤油店 | |
名称 | 江戸東京たてもの園・小寺醤油店/えどとうきょうたてものえん・こでらしょうゆてん |
所在地 | 東京都小金井市桜町3-7-1 都立小金井公園内 |
関連HP | 江戸東京たてもの園公式ホームページ |
電車・バスで | JR武蔵小金井駅から西武バス、小金井公園西口下車。または、関東バス三鷹駅行きで江戸東京たてもの園前、小金井公園前、スポーツセンター入口、下車 |
ドライブで | 中央自動車道調布ICから約8km |
駐車場 | 小金井公園第1駐車場(454台/有料)・第2駐車場(114台/有料) |
問い合わせ | 江戸東京たてもの園 TEL:042-388-3300 |
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