神楽坂・芸者小道(熱海湯階段)

神楽坂・芸者小道(熱海湯階段)

東京都新宿区神楽坂3丁目にある路地裏の小道が、芸者小道。銭湯「熱海湯」横の階段のため熱海湯階段とも呼ばれています。芸者小道の名があるのは、階段を上りきった見番横丁に、神楽坂検番(東京神楽坂組合稽古場)があるため。芸者衆が上り下りした小道というのが名の由来です。

かつては芸者衆が歩いた階段

東京六花街(新橋、赤坂、芳町、神楽坂、浅草、向島)のうち、神楽坂は新橋と並んで東京を代表する花街で、今も料亭が数多く建ち並んでいます。
検番は芸者屋を管理する事務所で、芸者への取次ぎ、玉代の勘定などを行なうほか、「東京神楽坂組合稽古場」と称されるように、芸の上達に励む場所(踊りや三味線の稽古をする場)でもあるのです。

かつては新橋と並び、西の祇園と対比された花街で、戦前は料理屋(料亭)、待合茶屋、芸妓屋(芸者置屋)の三業で構成されていましたため三業地とも称されましたが、戦後、料理屋と待合茶屋の役割が一緒になり、今の料亭が生まれています。

東京の花街も現在は衰退し、芸者数も大きく減少。
神楽坂も料亭4軒と芸者16名(2023年)となっています。
料亭は軽子坂の上にあるので、実際に芸者小道で出会うことはなく、芸者新道と呼ばれる小道のほうが遭遇率は高くなっています。

東京神楽坂組合では、『水穂会公演』、『特別公演 神楽坂をどり』、『神楽坂プレミアムビアホール』などのイベントも実施しており、花街の雅な文化に触れることができます。

ちなみに熱海湯は昭和29年創業。
創業の頃には熱海湯の周辺にも置屋(芸者を抱えている家)があり、実際に芸者小道を歩く姿もあったとのこと。
熱海湯で一番風呂に入り、化粧を整えてから、夜のお座敷に出かけたという場合もありましたが、それも昔話となっています。

神楽坂・芸者小道(熱海湯階段)
名称 神楽坂・芸者小道(熱海湯階段)/かぐらざか・げいしゃこみち(あたみゆかいだん)
所在地 東京都新宿区神楽坂3丁目
電車・バスで JR・東京メトロ・都営地下鉄飯田橋駅から徒歩5分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
神楽坂

神楽坂

東京都新宿区、飯田橋の外堀通りと早稲田通りが交差する神楽坂下交差点から、坂上の善国寺、大久保通りに向けて上る坂道が、神楽坂(かぐらざか)。坂名は江戸時代からの歴史あるもので、周辺には大正時代に隆盛を誇った花街があり、「千月」、「幸本」(ゆき

不二家・飯田橋神楽坂店

不二家・飯田橋神楽坂店

東京都新宿区神楽坂1丁目、神楽坂の牛込橋・飯田橋駅寄り、神楽坂下交差点近くにあるのが、不二家・飯田橋神楽坂店。洋菓子「不二家」の店舗ですが、日本で唯一「ペコちゃん焼」(大判焼きをペコちゃん型にアレンジ)を販売する店として知られ、外国人観光客

善国寺

善国寺

東京都新宿区神楽坂にある日蓮宗の寺、善国寺(善國寺)。戦国時代末の文禄4年(1595年)、池上本門寺第12代貫主・日惺上人が馬喰町に創建(開基は徳川家康)。度重なる江戸の大火により麹町を経て寛政5年(1793年)に現在地に移っています。芝・

神楽坂・芸者小道(熱海湯階段)

関連記事

よく読まれている記事