府中市郷土の森公園・国鉄EB10形電気機関車

府中市郷土の森公園・国鉄EB10形電気機関車

東京都府中市矢崎町5丁目にある都立公園が、府中市郷土の森公園。公園内にある府中市立交通遊園の西側に静態保存されているのが、国鉄EB10形電気機関車。昭和2年に鉄道省が当時の王子区(現・北区)を走った貨物線に導入した蓄電池機関車AB10形が前身で、昭和6年の電化を受けて電気機関車に変更されたもの。

かつて須賀線(北区の貨物線)を走った電気機関車を静態保存

府中市郷土の森公園・国鉄EB10形電気機関車
蓄電池機関車AB10形の勇姿(パンタグラフがありません)

かつて国鉄EB10形電気機関車が走った須賀線(すかせん/王子駅~須賀駅間、2.5km)は、大日本人造肥料(現・日産化学工業)王子工場の専用線として大正15年9月22日に開通、昭和2年12月20日に国有化された貨物線です。
沿線に陸軍造兵廠火工廠王子火薬製造所(後の東京第一陸軍造兵廠王子工場)ができたことから、蒸気機関車では火の粉が散る危険性があり、電気機関車だと架線とパンタグラフの間に生じたスパークによる引火の危険性も懸念されるため、あえて蓄電池機関車AB10形を導入したのです。
昭和2年、10形2両製造(後にAB101、AB102と改番)、充電のため田端機関区構内に安川電機製の電動発電機を設置していました。

昭和6年、須賀線の電化に伴い、芝浦製作所で電気機関車に改造され、パンタグラフを設置し、EB10形に。
田端機関区に配属され、須賀線で運用されていました。
昭和46年の須賀線廃止に伴って、昭和47年廃車に。
府中市郷土の森公園の府中市立交通遊園に静態保存されるのは、その1号機で、運転室内にも入ることができます。

府中市郷土の森公園・国鉄EB10形電気機関車
EB10形電気機関車形式図
府中市郷土の森公園・国鉄EB10形電気機関車
名称 府中市郷土の森公園・国鉄EB10形電気機関車/ふちゅうしきょうどのもりこうえん・こくてついーびーじゅうがたでんききかんしゃ
所在地 東京都府中市矢崎町5
電車・バスで JR府中本町駅から徒歩20分。または、京王電鉄分倍河原駅から京王バス郷土の森総合体育館行きで6分、郷土の森正門前下車、徒歩6分
ドライブで 中央自動車道国立府中ICから約3.5km
駐車場 400台/無料
問い合わせ 府中市郷土の森公園管理事務所 TEL:042-364-7214
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
府中市郷土の森博物館

府中市郷土の森博物館

東京都府中市、JRA東京競馬場の南西、多摩川の北岸を利用した14haの森全体がフィールドミュージアムというのが、府中市郷土の森博物館。敷地全体で府中の自然、地形、風土の特徴を表現し、そのなかに博物館本館があり、周囲に農家や町家、旧府中町役場

王子四丁目公園(須賀線廃線跡)

王子四丁目公園(須賀線廃線跡)

東京都北区王子4丁目にある北区立の公園が、王子四丁目公園。敷地が細長く、弧を描いてカーブするのは、廃線跡を利用した公園だから。田端操車場から王子駅を経て須賀駅(すかえき)まで、貨物線の須賀線が走っていました。昭和46年3月1日に廃止された須

下河原緑道(国鉄下河原線廃線跡)

下河原緑道(国鉄下河原線廃線跡)

東京都府中市、昭和51年9月に廃線となった国鉄下河原線廃線跡を緑道にしたのが、下河原緑道(しもがわらりょくどう)。国分寺駅〜東京競馬場前駅の旅客線、途中で分岐し、下河原駅までの貨物線があり、廃止後は住宅地と緑道に転用され、廃線跡歩きが楽しめ

府中市郷土の森公園・国鉄EB10形電気機関車

関連記事

よく読まれている記事