等々力渓谷3号横穴

等々力渓谷3号横穴

東京都世田谷区等々力1丁目、等々力渓谷東岸の崖に築かれた横穴墓が、等々力渓谷3号横穴(とどろきけいこくさんごうおうけつ)。6基以上の横穴墓で構成される等々力渓谷横穴(墓)群のひとつで、7世紀(古墳時代後期)の築造。東京都の史跡に指定され、3号横穴はガラス越しに内部がのぞけるように復元されています。

等々力渓谷に築かれた古代の有力農民の墓

全長は13mあり、等々力渓谷の崖に横穴を掘った埋葬施設の玄室(げんしつ)、羨道(せんどう=玄室と外部とを結ぶ通路)とさらに前庭部(ぜんていぶ)に分かれ、羨道の入口には羨門があります。
泥岩の切石で塞がれた玄室の床には川原石が敷かれています(ガラス越しに見学可能)。

玄室からは3体以上の人骨が出土し、静岡県湖西地方産(浜名湖の西側)の須恵器(すえき)や土師器(はじき)、耳環(じかん=古代のイヤリング)、ガラス小玉などが副葬品として埋葬されていました。

また、斜面を切り通してつくられた墓道では、土器が出土し、火を焚いた跡があることから、なんらかの供養(墓前祭)が行なわれたことも判明。
被葬者は、野毛地域の有力な農民と推測されています。

また、2号横穴から出土した土師器は、当時、大和国(やまとのくに=奈良県)で使われていたもので、被葬者が、都に遥役(ようえき=律令時代における労役)で働きに行ったことが推定される貴重な資料となっています。

等々力渓谷の西には野毛大塚古墳(野毛古墳群のなかで最大規模の古墳/帆立貝形古墳)もあるので、時間が許せばあわせて見学を。

等々力渓谷3号横穴
名称 等々力渓谷3号横穴/とどろきけいこくさんごうおうけつ
所在地 東京都世田谷区等々力
関連HP 世田谷区公式ホームページ
電車・バスで 東急大井町線等々力駅から徒歩10分
ドライブで 第3京浜道路玉川ICから約300mで玉沢橋
駐車場 なし/周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 世田谷区生涯学習・地域学校連携課文化財係 TEL:03-3429-4264/FAX:03-3429-4267
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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