高尾山薬王院

高尾山薬王院

東京都八王子市高尾町、東京を代表する霊山、高尾山の山上に建つ真言宗智山派の古刹が、高尾山薬王院。天平16年(744年)、聖武天皇の勅令で東国鎮守の祈願寺として、行基が開基したと伝わる多摩最古の寺。中世から飯縄大権現(いいづなだいごんげん)を祀り、修験の地としても栄え、本尊も飯縄大権現です。

開山本尊が薬師如来、中興本尊は飯縄権現

高尾山薬王院
高尾山薬王院境内図

正式名は高尾山薬王院有喜寺で、川崎大師平間寺、成田山新勝寺と並び、真言宗智山派、関東三大本山のひとつ。

創建当初は薬師如来を本尊とし、薬師の古道場でしたが、南北朝時代に山城国醍醐山(現・京都の醍醐寺)の俊源大徳が飯縄大権現を祀り、霊場発展の基礎を築いています。
飯縄大権現は、信州の飯縄山の山岳信仰と修験道、仏教が結びついたもので(もとは農業神として信仰)、戦勝に導く神(権現=仏が仮の姿で神となって現れたもの)として、武田信玄・上杉謙信ら戦国武将が信仰、八王子を重要拠点とした小田原北條氏も山域を厚く保護しました。

高尾山が自然の宝庫なのは、こうして飯縄信仰の霊山として保護されたから。
とくに樹齢700年の杉の巨木が並ぶ大杉林は圧巻。

楼閣造りの四天門、彫刻で飾られた本堂、一段高く造られた本社(権現堂)は、総朱塗りに極彩色の彫刻がめぐらされた壮麗なもの。
薬王院の中心となる本堂には、開山本尊の薬師如来、中興本尊の飯縄権現が祀られています。
御護摩受付所で申し込めば本堂の中で護摩祈祷もでき、本尊の分身でもある御護摩札が授与されます。

高尾山薬王院
仁王門の先、本堂は本社の前に建っています

鳥居が立つ本社(権現堂)は神仏習合時代の権現造り

注目は、本社(権現堂)で、入母屋造の本殿と拝殿を幣殿で繋いだ権現造りは、神仏習合の名残り。
社殿前方には鳥居があり、一見すると神社のように見えます。
現存する社殿は、本殿が享保14年(1729年)、幣殿と拝殿が宝暦3年(1753年)の築で、東京都の文化財に指定。

総朱塗りの奥之院は、不動明王本尊とするため不動堂とも呼ばれ、江戸時代の建立。
奥之院不動堂(明治中期、旧薬師堂脇の護摩堂を移築)は、関東三十六不動尊霊場8番札所。

奥之院不動堂の裏には、天文年間(1532年~1554年)、北条氏康が勧請した富士浅間社が建っていますが、高尾山が富士山を遥拝することから建立されたもの。
奥之院から山頂に向かう道筋が富士道と呼ばれるのは、富士山信仰の名残りで、高尾山が富士山の「前立ち」、大山不動尊(大山寺)が「後立ち」という存在だったと推測されています。

予約が必要ですが、大本坊で精進料理を味わうことも可能。
名物は自然薯のとろろで、滋養強壮にいいと参拝客にふるまわれたもの。

体験修行では琵琶滝、蛇滝での水行などが可能。

ちなみに高尾山では飯縄大権現の随身として、また霊山で修行する山伏の姿から、一種の神通力をもつ存在としての「天狗信仰」も盛んな土地ですが、天狗もこのとろろが好物だったとか。

なお、高尾山薬王院へは、ケーブルカー高尾山駅から高尾山自然研究路1号路(表参道)を徒歩20分ほど。
浄心門、百八段階段、男坂と上り道が続きます。
山麓からだとプラス50分ほど必要です。

高尾山薬王院
高尾山薬王院
名称 高尾山薬王院/たかおさんやくおういん
所在地 東京都八王子市高尾町2177
関連HP 高尾山薬王院公式ホームページ
電車・バスで ケーブルカー高尾山駅から徒歩20分
ドライブで 圏央道高尾山ICから約1.1kmで高尾山薬王院祈祷殿駐車場
駐車場 高尾山薬王院祈祷殿駐車場(250台/有料)
問い合わせ 高尾山薬王院 TEL:042-661-1115/FAX:042-664−1199
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
高尾山

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高尾山薬王院

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