東京都足立区綾瀬4丁目、東京メトロ千代田線・JR常磐線綾瀬駅近くに鎮座する古社が、綾瀬稲荷神社。創建は慶長19年(1614年)、五兵衛新田の鎮守社(稲荷社)として創建。明治7年、五兵衛神社に、さらに昭和42年、綾瀬稲荷神社に改称。境内に綾瀬富士(綾瀬稲荷神社富士塚)があります。
境内にある綾瀬富士は昭和2年の築造
慶長19年(1614年)、京都の伏見稲荷を勧請して創建。
現存する本殿は、江戸時代後期、天保14年(1843年)の築で、総檜造りという見事なもの(珍しい西向きの社殿です)。
綾瀬富士、五兵衛富士と呼ばれる富士塚(「綾瀬稲荷神社富士塚」として足立区の文化財)は、麻布の包市郎兵衛(つつみいちろうべえ)が興した、富士講「山包講」(やまつつみこう=山包麻布講/御師は富士吉田の外川家)の枝講、山包丸渕講が、富士講の隆盛が終焉する昭和2年に築造したもの。
富士北麓からボク石(溶岩塊)を西新井駅まで貨車で輸送し、さらに馬車で運び入れて築山しています。
現在の比高は3.5mで、23区内唯一の山包講の富士塚です(山包講は、鴨川など房総に遺構が多数残されています)。
拝殿の前にある一対の狛犬(こまいぬ)は、足立区に暮らした落語家(「実験落語」で有名)で、狛犬研究家としても知られた三遊亭圓丈が奉納した落語狛犬で、よく見ると座布団に座り、扇子、手拭と茶托が置かれ、背が紋付になっています。
また、阿吽(あうん)ではなく「え~吽」になっているのだとか。
例大祭は、3年毎、9月13日(例祭日)前後の、日曜日に斎行。
ちなみに、幕末の慶応4年(1868年)、近藤勇(こんどういさみ)、土方歳三(ひじかたとしぞう)に率いられた新選組は、綾瀬稲荷神社の別当(神社を管理する寺)・観音寺、名主見習金子健十郎家(五兵衛新田を開いた金子五兵衛の末裔)などに屯所を設けて19日間もの間、五兵衛新田に駐屯しています。
4月1日には227名に増加し、千住宿へ官軍が進軍したため、4月2日には流山に移動、近藤勇は流山で捕縛されています。
綾瀬稲荷神社(綾瀬富士) | |
名称 | 綾瀬稲荷神社(綾瀬富士)/あやせいねりじんじゃ(あやせふじ) |
所在地 | 東京都足立区綾瀬4-9-9 |
関連HP | 綾瀬稲荷神社 |
電車・バスで | JR・東京メトロ綾瀬駅から徒歩5分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 綾瀬稲荷神社 TEL:03-3606-2512/FAX:03-5682-0022 |
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