遮断器もなく、電車が信号待ち! 東急世田谷線・若林踏切

東急世田谷線・若林踏切

東京都世田谷区の三軒茶屋駅〜下高井戸駅を結ぶ東急世田谷線。路面電車だった玉川電気鉄道(玉電)の歴史を今に伝える路線で、鉄道ではなく、路面電車同様に軌道の扱い。西太子堂駅〜若林駅の間には環七通り(東京都道318号)と平面交差する若林踏切があり、電車が信号待ちする姿を目にすることも。

踏切ではなく交差点!? 「若林踏切」交差点というのが正解

東急世田谷線・若林踏切

若林踏切と通称されていますが、正式名は西太子堂5号踏切。
東急世田谷線の鉄道信号と、環七通り(東京都道318号)の交通信号が同期し、電車が近づくと道路側の信号機が赤となり、鉄道信号は赤で、信号待ちする仕組みです。
注目は、道路側に通常の踏切にある遮断器がない点。

この若林踏切もかつては「ワイヤー式」の遮断器が降りる通常の踏切(第1種踏切)でしたが、環七通りの通行量の増加を受け、遮断器を下ろすと大渋滞を生じることで、昭和41年に現行の方式に転換。
しかも平成24年度からは、踏切扱いではなく、併用軌道(路面電車と道路の併用区間)という扱いに変更され、正確には踏切ではなく交差点的な扱いになっています。
東急世田谷線は全線が専用軌道ですが、なんとこの若林踏切(若林信号といったほうが正確かもしれません)部分は、併用軌道扱いです。

環七通りを走行する車は、通常の踏切の場合は、線路内を横断する前に一旦停止が義務付けられていますが、この若林踏切では、そのまま停車しないで通過できます。

東急世田谷線の電車が若林踏切に近づくと、道路信号側に連絡が届き、道路信号が赤に変わるというシステムのため、長時間電車が信号待ちするということはなく、定時運転ができる仕組みです。
万一、東急世田谷線の電車が若林踏切近くでトラブルによって停車した際には、道路信号は赤の点滅となり、最徐行で踏切を超えればOKということになっています。

よく見ると信号機に「若林踏切」の名が。
ということは「若林踏切」交差点ということになります。

東急世田谷線・若林踏切
遮断器もなく、電車が信号待ち! 東急世田谷線・若林踏切
名称 若林踏切/わかばやしふみきり
所在地 東京都世田谷区若林1丁目
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