日本の地下鉄は、過密した都市の交通対策として登場したため、通勤通学の性格が強く、特急の運転という発想がありませんでした。一部に急行や快速が運転され、最近では座席指定車両の運行も始まっていますが、座席指定特急が乗り入れるのは東京メトロ千代田線のみとなっています。
かつては有楽町線・新木場駅にも乗り入れていた!

2007年10月19日、小田急電鉄と東京地下鉄(東京メトロ)は、「特急ロマンスカーの東京メトロ線への直通運転計画について」というプレスリリースを発表しています。
それによると、特急ロマンスカーの東京メトロ千代田線への乗り入れについて合意を受けて、「小田急電鉄では、 メトロ線内の運行に必要な設備を備えた新型ロマンスカー・MSEを製造し、 2008年3月より直通運転を開始する予定」としています。
計画では、平日ダイヤとしてビジネス特急(朝=本厚木発・北千住行き、夕=北千住発・唐木田行、夜=大手町発・本厚木行)を、土休日ダイヤとして観光特急(北千住〜箱根湯本など)を運転するというものです。
さらに「有楽町線への連絡線を経由し、新木場まで乗り入れます」と本厚木〜新木場にもロマンスカーを走らせる予定としています(臨時列車「ベイリゾート」として2011年まで運用)。

報道発表された当初の運用計画
画家・フェルメールの青色を塗装したロマンスカー

画家・フェルメールの青色を塗装したロマンスカー

新たに開発するロマンスカーMSEのMSEは、Multi Super Expressの略で、通勤通学、観光にマルチに活躍する特急という意味です。
外観の青は、正式には「フェルメール・ブルー」と呼ばれるもので、17世紀のオランダの画家、フェルメールが作品の中で用いた青色。
有名な『真珠の耳飾りの少女』もこの「フェルメール・ブルー」の布をターバンとして巻いています。
地下でも明るさを感じさせるカラーとして採用したとのこと。
ロマンスカー伝統の「バーミリオン・オレンジ」は窓下にアクセントとして帯に配しています。
小田急は、「初の地下鉄内座席指定特急の誕生でもあり、列車の新しいルートと利用スタイルを開拓することとなりました」と宣言しています。
騒音低減のため全密閉式主電動機(モーター)を採用したのも、地下鉄内を走るということから。
シートピッチも983mmとEXEの1000mmよりも狭くなっていますが、他のロマンスカーに比べて背もたれが薄くしたことで、足元空間は42mm広くなっています。
座席は自動回転機構で、ボタンひとつで各車両の座席が転換できる仕組みで、テーブルを出したまま自動回転できる工夫も。
通勤通学対策として、各座席に傘ホルダーがあるのも特徴です。
乗り鉄からは、「背もたれが薄いのでゴージャスな感じがしない」という意見もありますが、マルチな活躍を担保にするためのデザイン工学的な解決方法だったと推測できます。
運用当初は、3号車と9号車には「カフェカウンター」が設置され、箱根湯本を結ぶ「メトロはこね」では小田急伝統の「走る喫茶室」を体現していました。
注目は、ロマンスカー伝統の警笛「ミュージックホーン」。
千代田線内でこの音を聞く機会があれば、鉄道ファンならずとも少しワクワクすることでしょう。

| 日本で唯一! 地下鉄に「座席指定特急」が乗り入れる線が、東京に! | |
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