東京都小笠原村、父島の南岸の断崖にある赤いハート型の巨岩が千尋岩(ハートロック)。海上や南島東岸から眺めるとハート型ですが、円縁湾(まるべりわん)に臨む200mほど切り立った海食崖にあるので、迫力も満点。入林許可を受けたガイド同伴であれば森のなかを歩いて到達し、岩の上に立つこともできます。
陸上から岩の上に到達するにはガイド同行が必要
千尋岩(ハートロック)のある場所は、森林生態系保護地域(保存地区)のため、陸上からのアプローチは、入林許可を受けたガイドの同行が必要。
ガイド同伴の千尋岩(ハートロック)ツアーは、北袋沢(小港園地)コースが一般的。
ルートの大部分は戦時中の軍道ですが、衝立山にフィックスされたロープを頼りに歩くような場所もあるので、トレッキング的(軽登山的)な装備、経験は必要です。
小港園地(ジョンビーチの入口です)を起点に、片道2時間30分ほど歩いて到達します(小笠原の固有種や戦跡を見ながらのトレッキング)。
父島の海底火山活動が終息した後、隆起し、父島海底火山の高所部分の大半が浸食によって失われました。
父島南西部の南崎・千尋岩から南島一帯は古い火山体の裾野にあたる部分で、陸化して浸食を受ける際、父島は南の熱帯に位置したため、地表はラテライトという赤色風化土壌で覆われたのです。
つまり、熱帯雨林では、岩石が風化すると酸化鉄を含んだラテライト(laterite)と呼ばれる赤っぽい土(赤色風化土壌)となります。
鉄やアルミニウムで構成される赤色の土壌で、紅土とも呼ばれています。
この赤土が雨で流され、巨大な岩を赤く染めたというのが赤いハートロックの成因です。
千尋岩(ハートロック) | |
名称 | 千尋岩(ハートロック)/ちひろいわ・せんじんいわ(はーとろっく) |
所在地 | 東京都小笠原村父島 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |