天上山・不動池

天上山・不動池

東京都神津島村、最高峰で標高571.8mながら、洋上のアルプスともいえる特異の景観を展開する天上山。島の大部分が天上山(山岳地帯)ですが、その山上で最大の池が不動池です。信仰の対象ともなり、中島にクラカラ剣と石の龍王が祀られていますが、近年はハート型の池としても注目を集めています。

近年は、ハート型の池を見るために登る人も

天上山・不動池
天空の丘から眺めた不動池

ひょうたん型をした天上山の黒島部分は、複数の溶岩ドーム(流紋岩質)の集合体。
北側の白島は火口から噴出した軽石や火山灰が堆積した火砕丘が主体です。
不動池があるのは白島側なので、火口湖ではなく、火砕丘のなかの凹地に水が溜まったということに。

現在、中島の祠(ほこら)にはクラカラ剣と石の龍王が祀られていますが、「むやみに祠に近づき中を見るべからず」という言い伝えがあります。
不動池という名の通り、神仏習合時代に不動明王が祀られたことが名の由来で、今も不動明王や大日如来の祠があります(国土地理院の地形図には池名ではなく不動尊と記載されています)。

ちなみに、不動池は渇水期には水が減り、ハートの形にならないので、ハートが視認できた人は運がいいともいえるのです(天空の丘がビューポイントです)。

不動池の畔には不動池バイオトイレがありますが、このバイオトイレが山上で唯一のトイレです。

神津島の天上山は、伊豆諸島の神々が集まり、水配りの会合を行なったとされていますが(「水配り神話」)、その場所は最高点近くの不入が沢(はいらないがさわ)で、今も足を踏み入ることのできない聖域です。
事代主命(ことしろぬしのみこと)が神をこの島に集めたことから「神集島(かみあつめのしま)」と呼ばれたのが神津島の由来ととも「神ツ島」ともいわれますが、いずれにしろ神話の島で、その根源が、砂漠もある天上山の神々しい奇観と、古代の人々が丸木舟で大海原を渡って運んだ神津島や恩馳島(おんばせじま)で産する黒曜石だったと推測できます。

天上山の登山は、神津島港から黒島登山道を登り、白島登山道を下るのが一般的(両登山道が合流するのが表砂漠)。
不動池へは黒島登山道を利用し、表砂漠、新東京百景展望地を経て2時間40分。
裏砂漠、最高点などを周遊すればたっぷりと1日がかりとなるので、下山時間を考慮して行動を。

天上山・不動池
天上山・不動池
雨が少ないと水が枯れ、天候不順を見極める指針にもなっていました
天上山・不動池
名称 天上山・不動池/てんじょうざん・ふどういけ
所在地 東京都神津島村天上山
関連HP 神津島観光協会公式ホームページ
電車・バスで 神津島港から黒島登山口まで徒歩40分
問い合わせ 神津島観光協会 TEL:04992-8-0321/FAX:04992-8-0323
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
天上山

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東京を砂漠になぞらえるというレトリックは、内山田洋とクール・ファイブの『東京砂漠』(昭和51年)で不変化し、この曲はCMソングにもなっていますが、夏休みの伊豆七島の旅で、この東京砂漠を体感できるのが神津島・天上山山頂の砂漠地帯。ここぞまさし

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