天上山

天上山

東京都神津島村、標高571.8m、神津島の最高峰が天上山。山頂部には、眺望の良い天空の丘、黒島展望山、花崗岩の砂礫が堆積し荒涼とした表砂漠、裏砂漠、火口原に雨水がたまってできた千代池、不動池、ババア池、さらには異国人到来に備えたオロシャの石塁などがあり、摩訶不思議な天然の庭園のよう。

山上は砂漠、矮小化した木々など自然の庭園に!

天上山は、海上にある独立峰で、冬季には西風が強く吹くので、天上山の山上の木々も矮小化(わいしょうか)し、日本アルプスの稜線のようなアルペンムードを演出しています。
天上山南側の海に一気に落ち込む崖が、伊豆七島屈指の景観、多幸湾の迫力ある絶景を現出。

山上にある展望地からは、伊豆大島、利島、新島、式根島、三宅島、御蔵島、伊豆半島などを見渡すことから、「黒潮に浮かぶ展望台」とも呼ばれています。
晴れた日には富士山も見渡すことが可能で、新東京百景、新日本の百名山、花の百名山にも選定。

白砂の砂漠に、オオシマツツジがアクセントをつける5~6月は登山のベストシーズン。
また高木が少なく、シダなどの海洋性、平地性から、山地性の高山植物までが、ひとつの山で一度に観察できるという、貴重な植生にも注目を。

天上山は、西側の前浜・神津島港に向け神津沢の谷がえぐられており、ここから南を黒島、北を白島と大別し、それぞれに登山道があり、山上でつながっていますが、登りを黒島登山道、下りを白島登山道とするのが一般的です。

白島にある不入が沢(はいらないがさわ)は、天上山随一の神域。
伊豆諸島の島々の神々が神津島、天上山に集まり、水配りの会議をした際、その会議が行なわれた場所だとされているのです。

神津島港から黒島登山道を使い、表砂漠まで2時間10分。
表砂漠から白島登山道を使い、神津島港まで2時間ほど。
山上の周遊は1時間30分ほどは必要で、たっぷり1日がかりの行程です。

天上山が特異な景観を生んでいるのは活火山だから

天上山

平安時代に成立された歴史書『続日本後紀』(しょくにほんこうき)に承和5年(838年)に関東、東海はもちろん、京の都にまで降灰があり、承和7年(840年)に伊豆国から「上津島」(神津島の古名)が爆発したとの報告があった記録されていることから、承和5年(838年)神津島・天上山の噴火があったことがわかっています。

実は神津島は、祗苗島(ただなえじま)、恩馳島(おんばせじま)などを合わせ、18以上の流紋岩質単成火山で形成されており、天上山が生まれたのは、この承和5年(838年)の爆発で(現在も常時観測火山になっています)。

ひょうたん型をした天上山の山頂部分は、複数の溶岩ドームの集合体。
天上山西縁の火砕丘と、溶岩ドームの急峻な場所からその下部には植物が生育しないため、砂漠になっているのです。

天上山
名称 天上山/てんじょうさん
所在地 東京都神津島村天上山
関連HP 神津島観光協会公式ホームページ
電車・バスで 神津島港から黒島登山口まで徒歩40分
問い合わせ 神津島観光協会 TEL:04992-8-0321/FAX:04992-8-0323
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
天上山・裏砂漠

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天上山・表砂漠

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天上山・千代池

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東京都神津島村、神津島の中央にそびえる天上山(標高571.8m)。山上の北側は平安時代初期の承和5年(838年)の噴火活動で火口から噴出した軽石や火山灰が堆積した火砕丘が主体の白島、南側が溶岩ドーム群の黒島ですが、黒島にある火口湖で、地形図

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天上山・新東京百景展望地

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阿波命神社

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