港区
プレスマンユニオン編集部
日本近代初等教育発祥の地碑
東京都港区芝公園1丁目、住友不動産御成門タワー前の園地に立つのが、日本近代初等教育発祥の地碑。明治3年6月12日(1870年7月10日)、増上寺の塔頭(たっちゅう)・源流院を仮校舎に、小学第一校が開校。東京府が開校した6校のうちのひとつで、大訓導(校長)は村上珍休が務めています。
明治3年6月12日、小学第一校が芝に開校
日本の近代的な初等教育は、明治5年の学制発布に先立ち、明治2年2月には新政府が『府県施政順序』を制定して「小学校ヲ設ル事」を府県の施政の大綱の一つに掲げたことに始まります。
明治3年、東京府はその方針を受けて、府内の寺院を仮校舎に、6つの小学校を開校。
そのなかで最初に開校したのが芝の小学第一校です。
明治4年7月、文部省設置で中小学校はその直轄に。
明治4年12月23日付「直轄校開校布達」の冒頭に、芝増上寺内源流院小学第一校があって、授業料月2分、科目は書算筆3科、稽古毎日5時間、男子生徒8歳〜15歳、女子生徒8歳〜12歳との旨が記載されています。
書算筆3科というのは、句読(音読)、習字、算術で、近代教育とはいえ、まだまだ寺子屋に似た内容でした。
生徒は五ツ時(午前8時)に、机、硯箱、弁当をもって登校。
生徒30名につき教師、助教師、優秀な生徒1名の計3名が教授にあたり、年間の教育予算は玄米200石と、江戸時代のように定められていました。
その第一校が芝・源流院に造られ、第二校が市ヶ谷・洞雲寺(現・番町小学校)、第三校が牛込・万昌院(現・愛日小学校)、第四校が本郷・本妙寺(現・湯島小学校/本妙寺はその後移転)、第五校が浅草・西福寺(現・育英小学校)、第六校が深川・長慶寺(現・深川小学校)となります。
小学第一校は、明治4年に、府管轄に戻ったこともあって西久保巴町(現・虎ノ門3丁目)に移転し、校名も、第一大学区第二中学区第一番小学、第一大学区東京府管下第二中学区官立学校一番小学鞆絵学校(ともえがっこう)、鞆絵尋常高等小学校、鞆絵国民学校、鞆絵小学校となり、平成3年に桜小学校・桜田小学校とともに御成門小学校に統合され廃校になっています。
源流院の建物は太平洋戦争の戦火で焼失し、港区役所の南側に移っています。
日本近代初等教育発祥の地碑 |
名称 |
日本近代初等教育発祥の地碑/にほんきんだいしょとうきょういくはっしょうのちひ |
所在地 |
東京都港区芝公園1‐3-15地先 |
関連HP |
港区公式ホームページ |
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電車・バスで |
都営地下鉄三田線御成門駅から徒歩1分 |
ドライブで |
首都高速芝公園ランプから500m |
駐車場 |
周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ |
港区企画経営部区長室広報係 TEL:03-3578-2036/FAX:03-3578-2034 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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