東京都三鷹市、国立天文台三鷹キャンパスにある大正15年築の建物が、国立天文台・大赤道儀室(天文台歴史館)。円筒状の鉄筋コンクリート造りの建物に、直径14.5m、高さ19.5mの銅板葺き鉄骨造りの木製ドームを載せた大きな天文ドームで、国の登録有形文化財になっています。
国立天文台の歴史、貴重資料の複製を展示する歴史館に
大正13年9月の国立天文台の麻布から三鷹への移転後に、対面する第一赤道儀室(国の登録有形文化財)と同じ東京帝国大学営繕課の設計で建てられた天文ドーム。
銅板葺き、鉄骨造り木製のドーム部分は、造船所の技師の支援を得て製作したあのだとか。
焦点距離1021cmという口径65cmカール・ツァイス(Carl Zeiss)製屈折望遠鏡は、ツァイス製屈折型の望遠鏡としては日本最大口径を誇っています。
鏡筒の方向・傾きに合わせて、ドームと円形観測床の回転、傾斜角の調節を行なうという構造。
観測床(2階部分の内側にある赤茶色の床面)はエレベータ式に上下し、観測者は鏡筒の傾きにあわせて観測床を上下させることで、望遠鏡がどんな向きになっていても楽な姿勢で望遠鏡を覗くことができたというスグレモノです。
平成10年3月に研究観測から退き、現在では天文台歴史館として静態保存。
国立天文台の歴史を紹介するパネル、国立天文台が所有している貴重資料の複製の展示が行なわれています(年2回入れ替えを実施)。
ちなみに、国立天文台三鷹キャンパスには、国立天文台太陽分光写真儀室(太陽塔望遠鏡・アインシュタイン塔)、大赤道儀室、第一赤道儀室、レプソルド子午儀室(子午儀資料館)、ゴーチェ子午環室、ゴーチェ子午環第一子午線標室、ゴーチェ子午環第二子午線標室、旧図庫及び倉庫(旧図書庫)、門衛所、表門と合計10ヶ所にもわたる国の登録有形文化財があり、大正デモクラシーを背景としたアカデミックな世相を背景に建てられた建築物が残されています。
国立天文台・大赤道儀室(天文台歴史館) | |
名称 | 国立天文台・大赤道儀室(天文台歴史館)/こくりつてんもんだい・だいせきどうぎしつ(てんもんだいれきしかん) |
所在地 | 東京都三鷹市大沢2-21-1 |
関連HP | 国立天文台公式ホームページ |
電車・バスで | JR武蔵境駅から小田急バス狛江駅北口行きで15分、天文台前下車 |
ドライブで | 中央自動車道調布ICから約2km |
駐車場 | 見学者用駐車場(54台/有料) |
問い合わせ | 国立天文台 TEL:0422-34-3600 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |