東京都文京区本郷7丁目にあるのが、東京大学・本郷キャンパス(本郷地区キャンパス)。明治10年に創設された旧東京帝国大学の原点ともいえる場所で、東大の本部も本郷にあります。キャンパス内には東大紛争で注目された安田講堂、三四郎池、ハチ公像、赤門などもあり、入試シーズンなどを除いて見学が可能です。
江戸時代は加賀藩前田家の江戸上屋敷だった地


東京大学・本郷キャンパスの敷地は、かつて加賀藩前田家の江戸上屋敷(前田家江戸本郷邸)があった場所。
つまりは、藩主の夫人、娘などが暮らす屋敷で、その敷地は9万坪にも及んでいました。
11代将軍・徳川家斉の娘・溶姫(将軍の息女は他の大名家の娘とは区別され、「姫君」と呼称)は、12代加賀藩主・前田斉泰(まえだなりやす)に嫁いでいますが、戊辰戦争時には江戸上屋敷を脱出、金沢城に避難しています。
朱塗りの薬医門である「赤門」は、江戸上屋敷の「御住居表御門」の遺構。
かつての加賀屋敷御守殿門で、「御守殿」と称されるのは、将軍家から息女を正室に迎え入れているからです。
国持クラスの大名屋敷としては平均的な門ですが、東京に残る貴重な歴史遺産のひとつ。
御殿の北側にあったのが池を配した庭園の「育徳園」。
寛永15年(1638年)、2代藩主・前田利常(まえだとしつね/加賀藩祖・前田利家の四男)が設けた園池が始まりで、4代藩主・前田綱紀(まえだつなのり=学問を好み、加賀藩の権威を高めた藩主)が「育徳園」と名付けています。
往時には船遊びのための船小屋、景観を愛でる「高山御亭」もありました。
広大な敷地には大名庭園「育徳園」の名残りの池が点在し、緑も多く残されています。
夏目漱石の小説『三四郎』により「三四郎池」として親しまれるのも「育徳園心字池」で、大名庭園の遺構のひとつ。
大学内にはイチョウ並木のほか、安田財閥の創始者・安田善次郎の寄附により、大正14年に建てられた大講堂「安田講堂」など、歴史ある名所も多数。
本郷キャンパスの見学(史跡や銅像の見学)にあたっては、各門に配置された警備員に名前、人数などを告げれば入構ができます(15名以上の団体による見学の場合は、登録フォームから申し込みが必要)。
大学構内であるということに留意して見学を(東京大学HPで構内見学の注意事項を確認の上、見学を)。



東京大学・本郷キャンパス(みどころ&見学方法) | |
名称 | 東京大学・本郷キャンパス(みどころ&見学方法)/とうきょうだいがく・ほんごうきゃんぱす(みどころあんどけんがくほうほう) |
所在地 | 東京都文京区本郷7-3-1 |
関連HP | 東京大学公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ東大前駅、東京メトロ・都営地下鉄本郷三丁目駅から徒歩10分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 東京大学 TEL:03-3812-2111 |
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