東京周辺に住む人でも江戸城に行ったことがある人、江戸城をじっくり見たことがある人は少ないかと。江戸城は、西の丸部分がいわゆる皇居で、皇居一般参観の許可(インターネット申請も可能)が必要。天守台跡があるのが皇居東御苑、さらには北の丸(北の丸公園)に皇居外苑とかなり広大。そこで、見学のポイントとなる江戸城の3×3をご紹介!
江戸城×3 現存する3つの櫓(やぐら)をチェック!
江戸城を攻略する前にぜひ知っておきたいのは、現存する櫓(やぐら)の場所。
城といえば天守なのですが、残念ながら、江戸城に天守があったのは江戸時代初期の50年間ほど。以降、現代に至る350年間以上、天守は再建もされず、今も存在していません。
近世城郭(江戸時代=近世、戦国時代以前=中世)では、天守閣は展望台(物見台)のような機能しかなく、将軍はもちろんのこと、政務を司る武士たちが勤務したのは御殿です。これは、将軍だけでなく、江戸時代には、諸藩の藩主(大名)も、御殿で暮らし、天守に上がったことのない藩主もきっといただろうと思われるのです。
江戸城では、その御殿も残念ながら現存していません。
そこでまず注目が最初の「江戸城3」である、江戸城に現存する3つの櫓です。
とくに富士見櫓は、天守焼失後に「代用天守」として機能しました。
富士見櫓
大飢饉とコレラの流行によって江戸市中に多くの死者が出た1732(享保17)年、8代将軍・徳川吉宗は大川(隅田川)で、川施餓鬼を実施。翌1733(享保18)年、川施餓鬼とあわせて、慰霊と悪病退散を祈願する目的で、両国の川開きの日に水神祭を実施。その際に花火を打ち上げたのが、隅田川大会のルーツとなっています。その花火を吉宗が眺めたのが、現在は皇居東御苑、往時は本丸にあった富士見櫓です。
櫓内は立ち入ることはできませんが、新たに設けられた近くの広場から見上げることが可能です。
伏見櫓
有名な二重橋のバックに眺めるのが伏見櫓です。西の丸の西南に建てられたもので、現在は皇居の中で、通常は立ち入ることができません。皇居でもっとも美しい櫓といわれています。
皇居一般参観を利用すれば、富士見櫓を濠越しに眺望し、伏見櫓にも近づくことができます。
桜田巽櫓
皇居外苑(桔梗門広場)から濠越しに見学できるのが、桜田巽櫓。三の丸の隅櫓(すみやぐら)で、大手門から濠沿いに二重橋方向に歩けば、その美しいフォルムが目に入ります。
桜田巽櫓近くの桔梗門(内桜田門)が、皇居一般参観の入口ですので、皇居一般参観を申し込めば、事実上、櫓3つの見学はクリアできます。
江戸城×3 現存する3つの城門をくぐろう!
案外知られていないのですが、実は江戸城には、江戸時代初期に築かれた城門が3ヶ所も現存しています。
もっとも有名なのが、幕末の大事件、そしてその事件を題材に映画の舞台にもなっている桜田門。
この桜田門で脱藩した水戸藩士が大老井伊直弼を惨殺した事件が、教科書にも登場の「桜田門外の変」です。
この事件で、幕府の権威は失墜し、明治維新への流れが確実なものになったのです。
残る2つの門は、北の丸公園にあります。
ひとつが、日本武道館への玄関門になっている田安門。
もうひとつがその近くにありながら、まったく通る人の少ない、「江戸城の穴場門」の清水門です。
ともに門の内側に徳川御三卿の田安邸、清水邸がありましたが、この田安家、清水家という名の由来も、もともとは徳川家から分家して門の内側に屋敷を構えたことに由来しています。
往時の邸宅の敷地をまたぐように日本武道館が建てられています。
桜田門
応じのままに残る門は、「旧江戸城外桜田門」として国の重要文化財。桜田門から内堀通りを500mほどいった現在の憲政記念館あたりに井伊直弼の屋敷(彦根藩上屋敷)はあり、3月3日の雛祭りの総登城の際にを狙い打ちされたのです。現在、桜田門といわれるのは、外桜田門。
皇居一般参観の入口となる桔梗門が内桜田門で、江戸時代にはそう呼ばれていました。
田安門
大田道灌時代、上州・北関東方面への玄関口だったのが今の田安門の場所。現在は、日本武道館の玄関門となっています。「旧江戸城田安門」として国の重要文化財になっています。現存する江戸城の城門では最古のもの。
清水門
清水寺というお寺があったとか、清水村という村名だったといわれているのが門の名の由来。1658(万治元)年に再修築された門は、「旧江戸城清水門」として国の重要文化財に指定されています。皇居東御苑 | |
所在地 | 東京都千代田区千代田1-1 |
関連HP | 宮内庁公式ホームページ(皇居一般参観) |
電車・バスで | 東京メトロ東西線・都営三田線大手町駅から徒歩6分。東京メトロ東西線竹橋駅から徒歩10分、JR東京駅丸の内北口から徒歩11分 |
駐車場 | 無/大手センターパーキング(185台・有料)など周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 宮内庁 TEL:03-3213-1111 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |