トトロの森 狭山丘陵

狭山丘陵は、埼玉県所沢市・入間市と、東京都東村山市・東大和市・武蔵村山市・西多摩郡瑞穂町の、5市1町にまたがり、東西11km、南北4km、面積およそ3500haにおよぶ丘陵地。昭和30年代の狭山丘陵を舞台とした映画『となりのトトロ』にちなみ、「トトロの森」と呼ばれるようになり、小手指駅、西武球場前駅などを起点に散策が可能。

映画『となりのトトロ』の舞台はここ!

昭和30年代前半の狭山丘陵を舞台にしたスタジオジブリ制作、宮崎駿監督の長編アニメ『となりのトトロ』。
森の主トトロ、ネコバス、まっくろくろすけ（ススワタリ）の登場と、夢あふれる物語です。
熟年世代にはノスタルジーを感じるその舞台が、狭山丘陵の森と自然。
宮崎監督によれば、当初、想定した場所はないとのことでしたが、草壁家の引っ越しの場面で「狭山茶」の張り紙が登場、草壁家が住む「松郷」が埼玉県所沢市松郷、ねこバスの行き先表示「牛沼」は、所沢市牛沼と比定できることから、狭山丘陵が有力な候補となっています。
しかも宮﨑駿監督が『となりのトトロ』の構想を練ったのも埼玉県所沢市・東京都東村山市の境界にまたがる自然保護樹林「淵の森」（JR新秋津駅から徒歩5分）です。

狭山丘陵は、都市化が押し寄せる中で、今もキツネやタヌキ、オオタカやフクロウなどが棲息する自然の宝庫で、公益財団法人「トトロのふるさと基金」（宮崎駿監督は顧問）の呼びかけで集められた寄付金で一部の土地が収得され、環境保全されています。

1990年に発足した「トトロのふるさと基金委員会」が取得した初めてのトラスト地が「トトロの森1号地」。それをきっかけに、40以上の土地や森を取得し、武蔵野らしい雑木林として保護されています。

目下、トラスト地は狭山湖の北岸に多く、小手指駅を起点に、クロスケの家まで片道1時間10分（小トトロコース）・1時間30分（大トトロコース）ほどの散策路も用意されています（路線バスの利用も可能）。
西武球場前駅を起点にすれば1時間40分（小トトロコース）、2時間10分（大トトロコース）の2コースのマップが用意されています。
他にもクロスケの家から緑のさいたま緑の森博物館へ、西武球場前駅からいきものふれあいの里センターのロングコースもあり、1日たっぷりと狭山丘陵を散策することができます。
「トトロのふるさと基金」のホームページからダウンロードできるので、まずは地図を手に入れてから散策を。

トトロの森に駐車場はなく、車を利用の場合は、狭山湖第一駐車場を起点に1号地周辺の森や、クロスケの家（トトロのふるさと基金が森を守るための活動拠点として管理している越生から移築された古民家、国の登録有形文化財／「クロスケの家基金」への寄付、会員の受付も実施）を目指して歩くのがお手軽でしょう。

ちなみに、森林の保全は、人の手を加える必要があり（放置すると森は荒廃）、「トトロのふるさと基金」では取得だけでなく、その保全にも尽力しています。
散策する場合にも、動植物をとったり、傷つけたりしない、田や畑などの私有地に立ち入らないなどマナーを守って行動を。