重要文化財「明治生命館」

重要文化財「明治生命館」

東京都千代田区丸の内2丁目、皇居外苑・馬場先濠(馬場先門跡)を眼前にするのが、重要文化財「明治生命館」。明治生命保険相互会社本社本館として昭和9年築。2025年11月22日にリニューアルされ、1階に展示エリアが新設、さらに「明治安田CAFE 丸の内」がオープンしています。

古典主義様式の最高傑作は、展示エリアもあって見学が可能

重要文化財「明治生命館」
1階の展示エリア

鉄骨鉄筋コンクリート造り、地上8階地下2階建てのオフィスビルで、関東大震災から日の浅い昭和5年着工。
設計監理は歌舞伎座などにも携わった岡田信一郎(おかだしんいちろう/昭和7年4月4日没)と兄の逝去後に引き継いだ弟・岡田捷五郎(おかだしょうごろう)。
この兄弟のリレーで明治生命館、そして琵琶湖ホテル(現・びわ湖大津館)が昭和9年に完成しています(施工は竹中工務店)。

明治時代以降に洋風意匠を導入した建築のひとつの到達点ともいうべき建築として、昭和に建てられた建築物では初の重要文化財指定となったビルです。

1階の展示エリアでは、明治生命館の模型や映像展示で、建物の持つ魅力と重要性を紹介。
1階にある「明治安田CAFE 丸の内」では、喫茶のほか、サンドイッチ、ハヤシライスなどの軽食、少し豪華にアフタヌーンティーセットを楽しむことができます。

重要文化財「明治生命館」
ⒸKoji Fujii/TOREAL

歌川広重生誕の地

江戸時代には、重要文化財「明治生命館」の建つ馬場先門の前には、江戸城が火災の際に出動する幕府直属の消防隊である定火消の屋敷が建っていました。
一帯の地名は、八代洲河岸(やよすがし)。
ヤン・ヨーステンの屋敷があったことから八代洲河岸と称され、現在の八重洲という地名の発祥の地にもなっています。
重要文化財「明治生命館」の場所には、定火消屋敷の同心、安藤源右衛門も暮らしていましたが、その屋敷で生まれたのが、歌川広重です。
つまり、重要文化財「明治生命館」の建つ地は、寛政9年(1797年)に歌川広重(本名は安藤重右衛門)が生誕した地と推測できるのです。

重要文化財「明治生命館」
名称 明治生命館/めいじせいめいかん
所在地 東京都千代田区丸の内2-1-1
関連HP 明治安田生命公式ホームページ
電車・バスで JR東京駅、有楽町駅から徒歩5分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
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重要文化財「明治生命館」

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