高ヶ坂石器時代遺跡・牢場遺跡

東京都町田市高ヶ坂2丁目、隣接する稲荷山遺跡（縄文時代後期～晩期の配石遺構）、谷を隔てた台地上の八幡平遺跡（縄文時代中期末の敷石住居跡）とともに高ヶ坂石器時代遺跡（国の史跡）を形成するのが、牢場遺跡（ろうばいせき）。大正14年に発見された敷石住居跡で、縄文集落解明のきっかけにもなった遺跡です。

大正14年、畑のゴボウが曲がることで発見された敷石建物跡

畑のゴボウが曲がること、土器片が出土したことを、南多摩郡南村の小学校長・山本亀三から報告を受け、考古学者・後藤守一（ごとうしゅいち／昭和25年、明治大学考古学研究室創設）が調査、縄文時代のムラがあったことが判明したというエポックメーキングな遺跡です。
後藤守一は、当時、帝室博物館（現在の東京国立博物館・京都国立博物館・奈良国立博物館）の監査官でした。

長径5m、短径3.85mという楕円形の敷石住居跡が発掘されましたが、柄鏡形竪穴建物（えかがみがたたてあなたてもの）の遺構として日本で初めて確認されたもの（当時の考古学の研究は貝塚などが中心でした）。
平面が柄鏡形（手鏡のような形）をした竪穴住居跡で、敷石を伴う場合は敷石住居となります。
近年では必ずしも住居として使われたわけではないことから、柄鏡形敷石建物とも称されるようになっています。

ゴボウが曲がることで発見された遺構は覆屋で保護され、見学が可能。
牢場遺跡の西南27mの稲荷山遺跡の配石遺構は、保存のために埋め戻されていますが、地表部分には遺構の様子を再現し、見学ができます。

町田市には「日本一駅から近いストーンサークル」と称される田端環状積石遺構（京王相模原線・多摩境駅近く／町田市小山町）もあり、縄文文化が花開いたエリアであることがわかります。

田端環状積石遺構（ストーンサークル）

東京都町田市小山町、京王電鉄相模原線・多摩境駅の西、小山内裏公園の南にある縄文時代の遺構が、田端環状積石遺構。縄文時代後期から晩期にかけて築かれたストーンサークル（環状列石）で「日本一駅から近いストーンサークル」とも称されています。都内では

高ヶ坂石器時代遺跡・稲荷山遺跡

東京都町田市高ヶ坂2丁目、大正14年に楕円形の敷石住居跡が発掘された牢場遺跡（ろうばいせき）の西南27mに位置する縄文時代の遺跡が、稲荷山遺跡（いなりやまいせき）。縄文時代後期～晩期の配石遺構で、牢場遺跡、谷を隔てた八幡平遺跡とともに高ヶ坂

高ヶ坂石器時代遺跡・八幡平遺跡

東京都町田市高ヶ坂2丁目、東側を恩田川、西側を芹ヶ谷公園となっている谷に挟まれた標高86mの丘陵の頂部に位置する縄文時代の敷石住居跡遺構が、八幡平遺跡（はちまんだいらいせき）。谷を隔てた牢場遺跡、稲荷山遺跡ととともに国の史跡に指定される高ヶ

高ヶ坂石器時代遺跡

東京都町田市、鶴見川上流の恩田川沿いの段丘上にある縄文時代の集落跡が、高ヶ坂石器時代遺跡（こうがさかせっきじだいいせき）。牢場遺跡、稲荷山遺跡、八幡平遺跡の3遺跡の総称で、一帯には縄文時代にムラが築かれていたことが判明、牢場遺跡では発掘され