東京都小笠原村、小笠原諸島の北部に位置するのが聟島列島(むこじまれっとう)で、その南端に位置する島が嫁島。後島、後東小島、前島などに囲まれた無人島で、世界自然遺産「小笠原諸島」の構成資産にもなっています。嫁島横にあるマグロ穴は、ダイビングスポットとして有名です。
イギリス軍艦ブロッサム号の発見時には、ケーター島と命名
聟島列島の最南端の島、嫁島。
1827年、イギリス王・ジョージ4世の命で太平洋の測量航海を行なっていたイギリス軍艦ブロッサム号(HMS Blossom)のフレデリック・ウィリアム・ビーチー(Frederick William Beechey)は、沖縄から当時無人島だった小笠原に来航、聟島列島の最南端の島・嫁島(よめじま)に物理学者のヘンリーケーター(Henry Kater )に因んでケーター島(Kater Island)と名付けています(『ブロッサム号の航海記』、1831年ロンドンで刊行)。
明治12年、西浜栄次の釣船が兄島から暴風で嫁島に漂着、その後生還したため、父島では栄次ヶ島とも呼ばれてきました。
現在、ケーター島は、同じ聟島列島の聟島の別称とされ、国土地理院の2万5000分の1地形図にも聟島(ケーター島)とわざわざ注釈が振られていますが、ケーター=聟島と誤解され、戦前にそれが定着してしまったから。
明治時代に入植が行なわれ、戦前は有人島でしたが、戦時中に防衛上の国策もあって無人島に。
有人島時代に持ち込まれたヤギが繁殖し、植生を破壊するため、駆除されウドノキ林などの植生回復が図られ、将来的にはアホウドリの繁殖なども期待されています(小笠原本来の生態系を取り戻すため様々な取り組みが行なわれています)。
島に許可なく上陸することはできませんが、嫁島近くにあるマグロ穴と呼ばれる海蝕洞のある岩島は、小笠原屈指のダイビングスポットで、5月〜9月ならイソマグロというマグロが群れを成して泳いでいるほか、大型の回遊魚やサメなどを観察できます。
嫁島 | |
名称 | 嫁島/よめじま |
所在地 | 東京都小笠原村聟島嫁島 |
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