東京都渋谷区にある東京オリンピックの代々木選手村跡地に造成された54haもの広大な都立公園が、代々木公園。オランダ選手の宿舎として使用された建物1戸だけがオリンピック記念宿舎として保存されていますが、もともとは戦後のアメリカ占領下で建てられた米軍住宅だったものです。
米軍住宅「ワシントンハイツ」がオリンピック村に
戦前に陸軍代々木練兵場だったという92haの広大な敷地には、アメリカ軍の占領下で、アメリカ空軍およびその家族のための団地「ワシントンハイツ」(Washington Heights/U.S. Air Force Washington Heights housing complex)が建設され(昭和21年9月に完成)、昭和27年7月26日の日倍安保条約で無期限使用施設として認められていました。
広大な敷地に木造家屋が827戸が並び、学校、劇場、教会、豊富な商品が並ぶスーパーマーケット、アメリカンスクール、プールなどが設けられて1940年代のアメリカの町が、都心に出現していました。
住宅には平屋の一戸建てのほか、2階屋二戸建て、2階屋四戸建てなどがありました。
工費は日本の負担で、ステンレスの流し台、冷蔵庫、掃除機、洗濯機、トースター、電気ストーブが完備したモダンな建物で、東京におけるアメリカンスタイルの発信源にもなったのです。
ジャニー喜多川氏もアメリカ大使館軍事顧問の事務職員として働いていたため、一時ワシントンハイツに暮らしていました(ジャニー喜多川率いるジャニーズ少年野球団が、ジャニーズのベースになりました)。
東京オリンピック開催にあたって、選手村にする構想で、アメリカ軍には調布飛行場に「関東村住宅地区」を代替地として提供し、アメリカ軍との交渉の結果、ワシントンハイツの選手村への転用、国立屋内総合競技場(国立代々木競技場)の設置が決定したのです。
現存するオリンピック記念宿舎は、ワシントンハイツにおける最も小型の住居で、東京オリンピック期間中はオランダ選手団の選手村に活用されました。
代々木公園 | |
名称 | 代々木公園/よよぎこうえん |
所在地 | 東京都渋谷区代々木神園町2-1 |
関連HP | 東京都公園協会公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ千代田線代々木公園駅から徒歩5分 |
ドライブで | 首都高速中央環状線初台南出口から約800m、富ヶ谷出口から約1km |
駐車場 | 代々木公園有料駐車場(65台/有料) |
問い合わせ | 代々木公園サービスセンター TEL:03-3469-6081 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |