東京都千代田区永田町1丁目、国会議事堂前にある国会前庭(北地区/彦根藩井伊家上屋敷跡)には、日本水準原点、電子基準点「東京千代田」、櫻の井などがありますが、ひときわ高くそびえるのが三権分立の時計塔。立法、行政、司法を表す、国会前庭らしい時計塔です。
1日3回チャイムが鳴り響く
江戸時代には、彦根藩井伊家上屋敷が、そして明治維新後は皇居近くの一等地ということで、昭和16年までは陸軍省、陸軍参謀本部が置かれた地。
戦後、東京オリンピック開催にあわせて公園化され、少し遅れて昭和42年に一般公開。
三権分立の時計塔は、「憲政の神様」で時間に厳しかった尾崎行雄の銅像の立つ尾崎記念会館(現・憲政記念館)、噴水池・花壇とともに昭和35年7月に完成したもので、三つの柱が合わさった形で、権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障する立法・行政・司法の三権分立(日本国憲法に定められた原則)を象徴しています。
塔の高さは、中国・北宋時代の仏教書『景徳傳燈録』にある「百尺竿頭一歩を進む」(ひゃくしゃくかんとうにいっぽをすすむ/すでに努力、工夫を尽くしたうえに、さらに尽力すること)という諺(ことわざ)から百尺(30.3m)より高くした31.5mに設定されたもの。
時計塔から鳴り響くチャイムは、大中寅二が作曲。
10:00、13:00、17:00、22:00に鳴らされていましたが、現在は22:00は近隣への配慮で鳴らされていません。
その時間は、それぞれ、衆参両院の本会議時刻、退庁時刻、就寝時刻を標準として決めています。
関東大震災の教訓から東京の市街地では百尺制限といい、100尺(30.303m)以上の建築物を建てることができませんでした。昭和6年、市街地建築物法が改正され、高さ制限は尺貫法によるからメートル法による31m(102.3尺)に変更されていますが、31.5mというのは、この百尺制限をも意識したギリギリの高さということに。
時計塔に近くには日本水準原点、電子基準点「東京千代田」があります。
国会前庭(北地区)・三権分立の時計塔 | |
名称 | 国会前庭(北地区)・三権分立の時計塔/こっかいぜんてい(きたちく)・さんけんぶんりつのとけいとう |
所在地 | 東京都千代田区永田町1-1 |
関連HP | 千代田区観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ有楽町線・半蔵門線・南北線永田町駅から徒歩5分。丸ノ内線・千代田線国会議事堂前駅から徒歩7分 |
ドライブで | 首都高速霞が関ランプから約300m |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
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