東京都台東区花川戸にある浄土宗の寺、九品寺(くほんじ)。その境内にある銅製の阿弥陀如来坐像が九品寺大仏で、明暦3年(1657年)、江戸の大半を焼き尽くした明暦の大火(めいれきのたいか)で亡くなった人々の菩提を弔うため、万治3年(1660年)に造立したもので、台東区の文化財に指定されています。
現存する東京最古の大仏が九品寺境内に!
九品寺は、慶長3年(1598年)、吟誉(ぎんよ)が開山、寛永6年(1629年)、天誉吟徹(てんよぎんてつ)が中興し、諸堂を建立していますが、九品寺大仏もこの天誉吟徹の造立。
浄財を募って造立したため、蓮華坐に、募金など造立に協力した人々、その縁故者と思われる人の戒名・法名などが刻まれています。
鋳物師(いもじ)は、長谷川五郎兵衛尉益継(はせがわごろべえのじょうますつぐ)。
像高3m87cm。
関東大震災で堂宇全焼、さらに空襲で再度焼失していますが、この大仏(阿弥陀如来坐像)は往時のままに鎮座し、東京に現存する最古の大仏になっています。
大仏の向かい側にある沓履地蔵尊(くつはきじぞうそん)は、関東大震災で焼失した木造念持仏を平成3年、等身大の大きさで再建したもの。
沓(靴)を履いている珍しい地蔵菩薩像で、履物の町・花川戸のシンボル的存在です。
江戸時代から、九品寺大仏、沓履地蔵尊は庶民に信仰されていたもので、物見遊山を兼ねた寺社詣を今に伝えています。
九品寺近くには言問橋(ことといばし)があり、言問橋西詰の言問橋西交差点は、東京スカイツリーのビューポイントにもなっています。
九品寺大仏 | |
名称 | 九品寺大仏/くほんじだいぶつ |
所在地 | 東京都台東区花川戸2-11-13 |
関連HP | 九品寺公式ホームページ |
電車・バスで | 東武・東京メトロ・都営地下鉄浅草駅から徒歩5分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 九品寺 TEL:03-3844-8366/FAX:03-3844-2485 |
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