東京にはいろいろな原点、元標がありますが、日本橋の橋の上にあるのが日本国道路元標(Kilometer Zero)。その名の通り、道路の起点となるポイントを示したものです。日本橋にあるのは、徳川幕府が定めた五街道(東海道、中山道、日光街道、奥州街道、甲州街道)の起点を明治政府が踏襲したもの。
明治44年に設置された「東京市道路元標」がルーツ
日本国道路元標のルーツとなる五街道の制定は、4代将軍・徳川家綱の治世。東海道の整備が終わるのも、1624(寛永元)年で、徳川家康没後です。
明治6年12月20日、明治政府は太政官達第413号で、各府県ごと「里程元標」(りていげんぴょう)を設けることを定めます。
明治44年、現在の日本橋の架橋時に当時の道路法施行令第八条によって橋の中央に「東京市道路元標」が設置されました。
第八条一 東京市ニ於ケル道路元標ノ位置ハ日本橋ノ中央トス
二 市町村ニ於ケル道路元標ノ位置ハ前項ニ規定スルモノヲ除クノ外府県知事之ヲ定ム
大正9年4月1日に道路法にもとづいて認定された国道の一覧(大正9年内務省告示第二十八号)でも国道の起点は日本橋とされています。
日本橋の中央にあった「東京市道路元標」は、東京都電・本通線の架線柱として使用されていましたが、昭和47年の道路改修で日本橋の北西詰にある「元標の広場」に移設されました。
北西詰に移設されている「東京市道路元標」は、日本橋とともに国の重要文化財に指定されています。
東京市道路元標があった場所には新たに50cm四方の「日本国道路元標」が埋め込まれました。文字は時の総理大臣・佐藤栄作の書。センターラインにあるので、写真撮影などは注意が必要。
千葉県の県庁所在地、千葉市道路元標は、県庁前(モノレール県庁前駅下)に。埼玉県は、さいたま市浦和区(旧浦和町)に復元された道路元標が立っています。神奈川県の道路元標はほとんど現存しておらず、横須賀市内に2ヶ所があるのみです。
日本橋を起点とする国道は7本
国道1号(東京都中央区日本橋〜大阪府大阪市)806.6km
国道4号(東京都中央区日本橋〜青森県青森市)887.1km=日本一長い国道
国道6号(東京都中央区日本橋〜宮城県仙台市)442.7km
国道14号(東京都中央区日本橋〜千葉県千葉市)65.0km
国道15号(東京都中央区日本橋〜神奈川県横浜市)29.6km=明治1號國道の日本橋〜神奈川間
国道17号(東京都中央区日本橋〜新潟県新潟市)461.9km
国道20号(東京都中央区日本橋〜長野県塩尻市)233.2km=東京都内を走る国道で最も距離が長い
(注)国道には重複部分があります
日本国道路元標 | |
名称 | 日本国道路元標/にっぽんこくどうろげんぴょう |
所在地 | 東京都中央区日本橋室町 |
電車・バスで | 東京メトロ銀座線・半蔵門線三越前駅から徒歩2分。銀座線・東西線日本橋駅から徒歩3分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
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