山手線(やまのてせん)は、2025年11月1日(土)で環状運転100周年を迎えます。 誰もが知っている山手線ですが、「どう読むのが正しいのか」、「実は山手線は一周していない」、「踏切が1ヶ所だけある」など、多くの人が知らないトリビアが隠されています。とっておきの7つを紹介。
山手線は「やまてせん」、「やまのてせん」!?
まずは、山手線の読み方から。
実はこれ、世代間の差もあるのですが、国鉄・JRも時代によって異なる呼び方があり、その影響を受けて世代間で差があります。
現在では「やまのてせん」が正式名で、駅や車内放送もそれで統一されています。
古いヒットソングの佐々木新一が歌う『あの娘たずねて』(昭和41年)に「ぐるり廻るは山手線」という歌詞がありますが、当時は「やまてせん」でした。
山手線はどこが起点!?
「まあるい緑の山手線」(『ヨドバシカメラの歌』)、「ぐるり廻るは山手線」(『あの娘たずねて』佐々木新一)と歌われるように環状運転される山手線。
どこが起点で、どこが終点なのか、実は意外に知られていません。
国内の鉄道にはその路線の起点に「0キロポスト」が設置されています。
線路の横などに配される「0キロポスト」を目にする機会はあまりないでしょうが、東京駅に行けば、東海道本線、東海道新幹線、中央本線などのホームに、その「0キロポスト」があります。
山手線の「0キロポスト」も東京駅に置かれていますが、路線としての起点は品川駅で、品川駅にも「0キロポスト」があります。
国土交通省監修の『鉄道要覧』には、山手線の起点は品川駅になっています。
その理由は、次の「循環運転はしているけども、実は一周していない!」で説明しましょう。
循環運転はしているけども、実は一周していない!
山手線は循環運転100周年を迎えますが、あくまで一周しているのは運用上の山手線。
JRには前身の鉄道省・国鉄時代から踏襲される路線名がありますが、それによれば、山手線は全長20.6km。
循環運転する一周は、34.5kmなので、13.9km足りないことに。
実は、東京駅〜田端駅(7.1km)は、正式には東北本線、同様に東京駅〜品川駅(6.8km)は東海道本線で、「借用」して山手線として循環運転しているということに。
東京駅にある山手線0キロポストも東海道本線、東北本線の0キロポストの意。
実は「山手線0キロ」と記されたポストは品川駅にあります。
実は山手線は意外に山岳路線
東京を山手と下町に分け、山手側を走るというのが山手線。
東京駅は埋立地、上野駅は、沖積平野、そして駒込あたりから西は武蔵野台地の上ということで、山あり谷ありで、結構上り下りがあります。
最大の登坂は34‰(パーミル)。
1000m走ると34m登るということですが、首都圏の普通鉄道の勾配は最大で35‰と決められているので、ほぼ限界の急坂ということになります。
山手線でもっとも乗降者数が少ない駅は!?
山手線の駅でもっとも乗降者数が多いのは、1日の乗降客数が世界最多の駅としてギネスブックにも認定の新宿駅。
そして最下位は、山手線では最も新駅の高輪ゲートウェイ駅で、その差はなんと46.9倍(2024年度)もあります。
山手線にはただ1ヶ所だけ踏切がある!
山手線には、現在1ヶ所だけ踏切が残されています(山手貨物線を除く)。
駒込~田端間にある第二中里踏切で、都市計画道路整備に伴う陸橋の完成により、2029年度の廃止が予定されています。
実は赤羽線(池袋駅〜赤羽駅)は山手線のルーツだった
現在は埼京線の一部となっている赤羽線。
実は山手線の環状運転よりも早い時代に敷設された線路で、当初は田端駅〜池袋駅〜新宿駅〜品川駅が山手線でした。
東北本線と東海道線を結ぶ重要な路線として、いち早く敷設されたのです。
【山手線環状運転100周年】 山手線のトリビア7選 | |
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