東京23区内にはかつて多くの滝がありました。東京23区は、荒川と多摩川に挟まれた武蔵野台地と河川・海側の低地とで形成され、浸食によって渓谷ができています。この武蔵野台地のへり(崖線)には湧水もあって、都市化が進む以前には多くの滝が懸かっていました。今回は涼を求めて、この滝を訪ねます。23区内で滝探勝!なのです。
名主の滝(男滝)で涼む!
アクセス:JR京浜東北線・東京メトロ南北線王子駅から徒歩10分
東京でもっとも滝があったのが北区の王子界隈です。
江戸時代には「王子七滝」といわれる7つの滝が懸かっていました。
王子瀑布群ともいえるのは、本郷台地(武蔵野台地)のへり(崖線)に湧水などの滝が懸かっていたのです。
このうち、現存するのが名主の滝公園の男滝。
初代・歌川広重が『絵本江戸土産』にこの滝を描いています。
現在は地下水を汲み上げているのですが、夏はかなりのクールゾーン!
近くには江戸時代には「王子七滝」のうちのいくつかが懸かった音無川渓谷(旧石神井川)もありますが、飛鳥山公園の下に2本のトンネルを掘り、石神井川流路のショートカットが行なわれたため、往時の渓谷の雰囲気は人工的な流路「音無親水公園」となっています。
それでもファミリーならこの親水公園で涼むことも可能です。
等々力渓谷&不動の滝で涼む!
アクセス:東急大井町線等々力駅から徒歩5分
「23区唯一の渓谷」というのが世田谷区の等々力渓谷(とどろきけいこく)。
自然渓流が等々力渓谷公園として整備され、渓流に沿って遊歩道が続いています。
渋谷から20分ほどでこの自然というのがたまらない魅力。
渓谷を形成する谷沢川(やざわがわ)は、東京を流れる一級河川です。
渓谷沿いに修験者の行場として知られた等々力不動尊があり、境内には滝に打たれる行場(ぎょうば)でもある不動の滝が現存。
修験者が行(ぎょう)をするのですから、凛とした空気が流れるパワースポット。
夏でも冷涼な空気が漂っています。
ちなみに等々力という地名も、この滝の音が轟(とどろ)いたからという説が有力です。
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