東京都港区東新橋1丁目、JR新橋駅・銀座口から徒歩5分の場所にあるのが、旧新橋停車場・鉄道歴史展示室。「汽笛一声新橋を」という鉄道唱歌で知られる新橋駅は、明治5年9月12日(1872年10月14日)開業。その新橋駅を再現した「旧新橋停車場復元駅舎」を博物館とした施設で、無料で見学できます。
新橋停車場の駅舎を、往時の場所に忠実に復元

新橋停車場の駅舎は、アメリカ人リチャード・パーキンズ・ブリジェンズ(Richard Perkins Bridgens)の設計。
旧国鉄汐留駅跡地の再開発(31ha)に伴う発掘調査によって、仙台藩上屋敷などの近世の遺跡、そして旧新橋停車場の遺構が発掘されたのです。
その後、日本初の鉄道駅の遺構部分は保存のために埋め戻され、駅舎およびプラットフォームの一部が平成15年に復元されました。
復元駅舎の西側にはホームの石組み、ホームの断面を再現、地下の遺構部分を見学できる窓も設けられています。
往時の外壁などは伊豆・下田周辺で切り出した伊豆斑石(いずまだらいし)でできていましたが、現在では採掘されていないため、完全な復元は不可能ということに。
そのため北海道の「札幌軟石」を代替品に使い、外壁の角を飾った青石も白河石が代替で使われています。
建物の建つ場所、外観の形状などは往時の駅舎を忠実に再現し、オフィス街の中の異色の空間を生み出しています。
復元駅舎内は、鉄道歴史展示室のほかに伊藤園の体験型ミュージアム「お茶の文化創造博物館」があり、面積的には「お茶の文化創造博物館」の方が広いスペースです。
1階展示室の床の一部はガラス張りで、開業当時の駅舎基礎石の遺構を見学可能。
お雇い外国人が使っていた西洋陶磁器類、改札鋏や工具類など鉄道業務に用いられた金属製品、汽車土瓶など、発掘調査で出土した遺物も展示され、必見の価値があります。
2階の「映像の記憶」コーナーでは往時の新橋停車場と、汐留の活気ある様子などを伝える映像を、プラズマディスプレイで観賞できます。
また2階の企画展スペーズでは随時企画展を開催しています。
「お茶の文化創造博物館」内には、「お~いお茶ミュージアム ショップ&カフェ」も営業。
今後、海上部分に鉄道を通した高輪築堤(たかなわちくてい)の遺構が復元されれば、新橋〜横浜(現・桜木町)に開通した日本初の鉄道が、さらに鮮明に蘇ることになるでしょう。



| 旧新橋停車場・鉄道歴史展示室 | |
| 名称 | 旧新橋停車場・鉄道歴史展示室/きゅうしんばしていしゃじょう・てつどうれきしてんじしつ |
| 所在地 | 東京都港区東新橋1-5-3 |
| 関連HP | 旧新橋停車場・鉄道歴史展示室公式ホームページ |
| 電車・バスで | 都営地下鉄汐留駅から徒歩3分、JR・東京メトロ・都営地下鉄・新交通ゆりかもめ新橋駅から徒歩3分〜5分 |
| 駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
| 問い合わせ | 旧新橋停車場・鉄道歴史展示室 TEL:03-3572-1872 |
| 掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 | |











