玉川東陸閘

玉川東陸閘

東京都世田谷区玉川1丁目、東急・二子玉川駅の東側の住宅街にある2つの陸閘(りっこう)のうち、東側にあるのが玉川東陸閘(たまがわひがしりっこう)。大正7年に着工し、昭和8年に完成した多摩川の堤防に設けられた人や車の通行用に設置された陸閘(陸上にあるゲート)で、洪水が予想される場合などにはここを締め切ることができます。

洪水が予想される時には、陸閘を閉鎖

堤防が切り通しのように開かれ、側壁部分はレトロなレンガ積み。
陸閘は多摩堤通り沿いの玉川1丁目に玉川西陸閘、東側の玉川東陸閘と2ヶ所あり、草の茂った土手に切り通しのような場所があるので、すぐわかります。
国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所が管理する現役の陸閘で、毎年、出水期前の5月上旬頃に閉鎖訓練が実施されています。

玉川東陸閘の開口部は、幅5.5m、高さ2.7mと西陸閘よりもひと回り大きいサイズです。
閉鎖訓練では、閉鎖に必要な材料(積み上げる角材など)が損傷・腐食していないかを点検すると同時に、実際に5分ほどかけて閉鎖テストを実施。
角材を支える本柱と斜めの支柱を立てるため、道路に穴が開いていますが、通常はコンクリートで埋められているため、まずはコンクリートを剥がし、本柱と支柱を立て、角材を横に渡して積んでいきます。

明治24年、お雇い外国人のヨハニス・デ・レーケは多摩川を調査し、洪水防止のために下流部に堤防を築くことを提案しますが、明治政府は予算不足もあってこれを放置します。

大正3年8月9日に多摩川を襲った2度の大洪水をきっかけに、多摩川下流の住民らが築堤を求めて神奈川県庁へ大挙して押し寄せる「アミガサ事件」(編み笠を被ったことでこう呼ばれています)が発生。
こうした運動もあって、国の直轄で、多摩川改修工事が大正7年に着工、昭和8年に堤防が完成しています。
堤防を築いたことで、当時川辺にあった料亭、主要な交通機関だった渡し船への行き来ができなくなるため、設置されたのが陸閘です。

多摩川旧堤防は、完成時には河口から二子の渡しの少し上流まで全長22kmに及んでいましたが、現在、二子玉川駅から東に続く多摩堤通り沿いに堤防の土手が残存しています。

玉川東陸閘
名称 玉川東陸閘/たまがわひがしりっこう
所在地 東京都世田谷区玉川8
電車・バスで 東急電鉄二子玉川駅から徒歩2分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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