東京都千代田区皇居外苑、江戸城を囲む濠(内堀)の一部が、日比谷濠(ひびやぼり)。祝田橋〜馬場先門の間の濠で、東南の角部分にあたります。濠の内側が有名な楠木正成像のある皇居外苑、南側が日比谷公園、東側に東京會舘、帝国劇場が並んでいます。
かつては日比谷入江(海)だった江戸城の内堀
慶長8年(1603年)、徳川家康が江戸を開府し、諸大名の天下普請(てんかぶしん)によって江戸城を築いた際、日比谷から大手町一帯は新橋あたりを湾口とする江戸湾(東京湾)奥の入江(日比谷入江)で、神田山を崩して日比谷入江を埋め立て、大名屋敷を築いています。
つまり、日比谷濠やその北側の馬場先濠は日比谷入江の名残りともいえる存在です。
日比谷という地名も、海苔(のり)養殖(ひび建式養殖)に使うひび(篠竹や細い木の枝、すだれなどを浅い海、干潟に差したものに付いたものを収穫)に由来しています。
現在の皇居外苑にあった大名屋敷は、明治21年の皇居造営の完成時までに撤去され、カエデ、柳、松などが植栽され、芝生の貼られた広場に変わりました。
江戸城は宮城となり、大名屋敷は宮城前広場となったのです。
明治38年、日露戦争の戦勝を記念して外苑を南北に縦断する形で凱旋道路(現在の内堀通り・都道301号白山祝田田町線)が開通し、祝田橋(土橋)が架けられたため、日比谷濠は東西に分断、西側を凱旋堀と呼ぶようになり、東側のみが日比谷濠となっています。
環境省が管理する国民公園皇居外苑(北の丸公園、皇居東御苑を含む皇居周辺の内堀一帯)の一部(外苑地区)で、日比谷濠も水質の改善が行なわれ、ユリカモメ、オオハシ、ミコアイサ、カワセミ、ゴイサギ、カワウなどが姿を見せます。
ちなみに広大な城郭の江戸城なので、市ヶ谷駅、四谷駅など、現在中央本線が走る濠が外堀となります。
日比谷濠 | |
名称 | 日比谷濠/ひびやぼり |
所在地 | 東京都千代田区日比谷に |
関連HP | 国民公園協会公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ・都営地下鉄日比谷駅からすぐ |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
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