東京都荒川区、日光街道沿い、南千住の総鎮守が素盞雄神社(すさのおじんじゃ)。境内にあるのが小塚原富士と呼ばれる富士塚。この塚があることから、一帯が小塚原と呼ばれるようになったという地名の由来で、神が降臨した塚を江戸時代後期に富士塚に変えたもの。
富士講「丸瀧講」が神が降臨したという塚を富士塚に改変
延暦14年(795年)、役小角(えんのおずぬ)の弟子・黒珍が、牛頭天王(ごずてんのう=素盞雄大神の本地仏で祇園精舎の守護神)、飛鳥権現が降臨した奇岩・神影面瑞光荊石(しんえいめんずいこうけいせき=瑞光石)を祀ったと伝えられる塚。
富士講の隆盛を背景に、元治元年(1864年)、浅間大菩薩を祀り、小塚原富士塚としています。
この瑞光石は房州石と考えられ、古墳に使われた石の転用とも推測されています。
天保7年(1836年)、斎藤月岑が刊行した江戸の地誌『江戸名所図会』には、飛鳥社・小塚原天王宮あすかのやしろ・こつかはらてんのうぐう/神仏習合時代の素盞雄神社の名称)の境内に瑞光石として描かれています。
塚上には20基もの富士講の講中の奉納碑が残されています。
富士塚に転用したのは、地元の富士講である身禄派の丸瀧講。
有名な駒込富士を築いた駒込富士神社を中心とした講中です。
かつては門前の茶店で疫病除けの麦藁の蛇が土産に売られていたなど、小塚原富士参りの参詣者で賑わいをみせていたのです。
毎年7月1日に『御山開き』が行なわれ、この7月1日の定められた時間のみ登拝が可能。
素盞雄神社・小塚原富士 | |
名称 | 素盞雄神社・小塚原富士/すさのおじんじゃ・こつかはらふじ |
所在地 | 東京都荒川区南千住6-60-1 |
関連HP | 素盞雄神社公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ日比谷線・JR常磐線・つくばエクスプレス南千住駅、京成千住大橋駅から徒歩8分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 素盞雄神社 TEL:03-3891-8281/FAX:03-3891-0222 |
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