東京都江東区越中島2丁目、東京海洋大学越中島キャンパス内にある明治時代、東京商船学校内に築かれた天体観測所が、第一観測台。明治36年に建てられた赤レンガ建築の天文台で、2階建てのドーム建築。現存する日本最古のドーム屋根形状の天体観測室で、国の登録有形文化財になっています。
現存する数少ない明治時代の天体観測施設
東京商船学校は、明治35年に霊岸島から越中島に移転。
その際の施設充実の一環として建てられたのが、天体観測所。
航海用の天体暦の研究と航海天文学の教授用に建てられたものです。
1階は八角形、2階は円形の平面で、2階部分は漆喰壁(しっくいかべ)。
かつては2階部分ののドーム内部に口径4インチの赤道儀式天体望遠鏡が備えられていました。
ドームは開閉式で、手動で回転させていました。
当時東洋一といわれた望遠鏡は分銅式で、天体の移動にあわせて追尾する仕組み。
昭和10年頃までは授業にも使われましたが、その後は天文部が活用するのみとなり、戦後、進駐軍が接収した以降は使われていません。
2階の外部には鉄柵がありましたが失われています。
内部には鏡筒部が消失した望遠鏡と、不完全ながらも赤道儀が設置。
設計は、隣接する第二観測台(子午儀を設置)とともに、旧赤間関郵便電信局(現・下関南部町郵便局/下関市)旧京都郵便電信局(現・中京郵便局/京都市)、多くの官庁建築の設計に携わった三橋四郎(みつはししろう=建設当時は逓信省技師)と推測されています。
東京商船大学旧天体観測所(第一観測台) | |
名称 | 東京商船大学旧天体観測所(第一観測台)/とうきょうしょうせんだいがくきゅうてんたいかんそくじょ(だいいちかんそくだい) |
所在地 | 東京都江東区越中島2-1-6 |
関連HP | 東京海洋大学公式ホームページ |
電車・バスで | JR越中島駅から徒歩2分。東京メトロ・都営地下鉄門前仲町駅、月島駅から徒歩10分 |
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