東京都江戸川区東篠崎町と千葉県市川市の境にある旧江戸川を仕切る水門と閘門が江戸川水閘門。江戸川放水路と旧江戸川の分岐点にあり、旧江戸川の水の流れを調整するために昭和11年に着工し、戦時中の昭和18年に完成しています。今も現役で、プレジャーボートや水上バスが通過する姿を見ることも。
旧江戸川を仕切る水門に閘門を併設
旧江戸川河口から9.3km地点に位置していますが、渇水時に海水の溯上を防止し、上流の真水を確保する役割、さらに上流の水位を確保し都市用水を安定供給することを目的に造られています。
水門ではなく、水閘門という名が付いているのは、船が通るための閘門(水位差の大きい運河や河川などで船を通航させるために水位を調節する施設、パナマ運河が有名)が設けられているから。
篠崎水門とも通称されていますが、閘門部分もあるので水閘門が正しい呼び方。
5門のゲート(幅10m、高さ5m)が水門で(操作は、江戸川河口出張所4階の操作室から遠隔操作)、その脇にあるのが閘門です。
船が通過する際にはサイレンが鳴るので、注目を(水位差のない時はゲートが開放されています)。
水位差を解消するために、長さ100m×幅16mの閘室が設けられ、通航する船はいったん閘室に入り、そこで待機し(待機中に出口側と同じ水位に)、ゲートを開けて進む仕組み。
通航できる船の全長は50m以下、幅8m以下、高さ 4m以下、喫水2m以下という制限がありますが、カヌーなどでも通航できます。
江戸川水閘門に並ぶように江戸川放水路には行徳可動堰が設置され、また、江戸川が利根川から分かれる、江戸川の起点付近には関宿水閘門(茨城県猿島郡五霞町)があります。
あまり知られていませんが、昭和11年、江戸川水閘門設置の際に、旧江戸川の流路を変更しているために、江戸川河川事務所江戸川河口出張所が建つ地は、東京都と千葉県の間の境界未確定地。
江戸川河川事務所江戸川河口出張所の住所表示は、〒133-0062東京都江戸川区東篠崎町250となっていますが、地番は河原番外地。
東京都江戸川区にも、千葉県市川市にも属していない場所なのです。
江戸川水閘門 | |
名称 | 江戸川水閘門/えどがわすいこうもん |
所在地 | 東京都江戸川区東篠崎町250 |
電車・バスで | 東京メトロ妙典駅から徒歩20分 |
ドライブで | 京葉道路京葉市川ICから約2km |
駐車場 | 河原地先河川敷運動広場等駐車場(80台/無料)を利用 |
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