深大寺

深大寺

東京都調布市にある天台宗別格本山が、深大寺(じんだいじ)。寺伝では、天平5年(733年)、満功(まんくう)上人が法相宗の寺として創建と伝わる古刹、正式名は浮岳山昌楽院深大寺で、水神の深沙大王(じんじゃだいおう)に由来する寺名です。「深大寺だるま市」は、日本三大だるま市にも数えられています。

日本最大の厄除け大師を祀る寺

深大寺

本尊・阿弥陀三尊仏は、大正8年に再建された本堂に安置。
釈迦堂に安置される銅造釈迦如来倚像は、明治42年に元三大師堂の壇の下から発見されたもの。
飛鳥時代後期(白鳳時代)の作で、国宝。

境内に現存する最古の建物は山門(薬医門)で、元禄8年(1695年)に寄進されたもの。
武蔵野特有の分厚い草葺きの切妻屋根が印象的です。

明治3年再建の鐘楼には、南北朝時代末期にあたる永和2年(1376年/南朝・天授2年)の銘が刻まれた梵鐘があり、国の重要文化財にも指定。

慶応3年(1867年)が再建の元三大師堂(がんざんだいしどう)では、鎌倉末期の作と伝わる良源(元三大師=比叡山中興の祖)自刻の元三大師像(秘仏)が祀られ、魔除けのお札(降魔札)も授与されています。

「おみくじ」の創始者は、元三大師といわれ、深大寺のおみくじは、古来のままなので、凶が多いことで有名。
しかし万一凶を引き当てても「凶は吉に好転する力を秘めています」とのこと。

厄除けの縁起だるま市(『厄除元三大師大祭』)が、毎年3月3・4日に行なわれています。

周辺は清らかな湧水に恵まれ、この水を利用して打つ「深大寺そば」は江戸時代からの名物。
今も門前には、そば店がずらりと並んでいます。

深大寺
元三大師堂
深大寺
初詣の賑わい

江戸時代に隆盛した元三大師信仰

深大寺
『江戸名所図会』に描かれた深大寺、現在の神代植物公園の場所も当時は寺領でした

平安時代の天台宗の僧・良源の諡号(しごう)は、慈恵大師(じえだいし)ですが、一般には元三大師(がんざんだいし)の名で有名。
第18代天台座主で、比叡山延暦寺の中興の祖。
良源を象った護符に角が描かれることから角大師(つのだいし)などとも称され、今も「厄除け大師」として、信仰されていますが、東京では、深大寺が信仰の中心。
関東では、栃木県佐野市の惣宗寺(佐野厄除け大師)、埼玉県川越市の喜多院(川越大師)、群馬県前橋市の龍蔵寺(青柳大師)なども元三大師信仰で有名です。
真言宗で大師信仰といえば空海ですが、天台宗の大師信仰は、元三大師ということに。

江戸時代には、明和2年(1765年)、文化13年(1816年)、両国の回向院(えこういん)で深大寺の元三大師出開帳が行なわれるほど、その御利益(ごりやく)と霊験は有名だったのです。
文化文政年間(1812年〜1829年)、江戸小日向(現・東京都文京区)の廓然寺(かくねんじ)がの住職・十方庵敬順(津田大浄)の『遊歴雑記』には、「その大さ頭より膝にいたりて、七尺五寸、少し前の方へここみて見ゆ、頂の大さ宛も大西瓜ほどあれば、惣体の格好是にて察すべし」と記され、上野寛永寺の門をくぐる際には、「大いなる故、なかなか通りがたく」と、江戸庶民がその大きさに驚くさまが描写されています。

深大寺
『江戸名所図会』に描かれた名物の深大寺蕎麦
深大寺
名称 深大寺/じんだいじ
所在地 東京都調布市深大寺元町5-15-1
関連HP 深大寺公式ホームページ
電車・バスで 京王線調布駅からタクシーで5分
ドライブで 中央自動車道調布ICから約2.5km
駐車場 神代植物公園駐車場(227台/有料)
問い合わせ 深大寺寺務所 TEL:042-486-5511/FAX:042-483-6969
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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