東京都内には、板橋区・乗蓮寺の東京大仏(像高125m)を筆頭に、巨大な大仏が数多く建立されています。しかも江戸時代に、名工といわれた鋳物師(いもじ)の作品も現存し、大仏巡りも楽しめるのです。都内にある大仏10尊を紹介します。
東京23区
乗蓮寺(東京大仏)|板橋区
所在地:東京都板橋区赤塚5-28
像高:12.5m(青銅製で重さ32t)
造立・開眼:昭和52年4月11日
備考:東京大空襲、関東大震災などの悲惨な戦災・震災が起きないように願いを込めて建立されたものです。
青銅製の鋳造大仏としては、奈良(東大寺大仏/14.98m、台座別で250t)、鎌倉(高徳院大仏/11.39m、121t)、高岡大仏(15.85m、13t)、兵庫大仏(能福寺大仏/11m、60t)などと並ぶ巨大な大仏。
天王寺・元禄大仏|台東区
所在地:東京都台東区谷中7-14-8
像高:2m96cm
造立・開眼:元禄3年(1690年)
備考:神田鍋町の鋳物師(いもじ)・太田久右衛門鋳造。
谷中七福神の毘沙門天を祀る寺で、現在の谷中霊園は、江戸時代には天王寺の境内。
天王寺は江戸時代後期の天保4年(1833年)に改称された名前で、大仏も感応寺時代のもの。
九品寺大仏|台東区
所在地:東京都台東区花川戸2-11-13
像高:3m87cm
造立・開眼:寛永6年(1629年)頃
備考:鋳物師・長谷川五郎兵衛尉益継(はせがわごろべえのじょうますつぐ)鋳造。
現存する東京最古の大仏。
護国寺・大仏|文京区
所在地:東京都文京区大塚5-40-1
像高:2.5m
造立・開眼:江戸時代初期
備考:もともとは筑波山大権現(現・筑波山神社)の別当・護持院にあったものを明治初年の神仏分離、廃仏毀釈で護国寺境内に移設。
吉祥寺大仏|文京区
所在地:東京都文京区本駒込3-19-17
像高:4.17m
造立・開眼:享保7年(1722年)
備考:神田鍛冶町鑄物師・河合兵部永田喜右衛門鋳造。
仙行寺(池袋大仏)|豊島区
所在地:東京都豊島区南池袋2-20-4
像高:像高4.6m(重さ1.5t)
造立・開眼:平成30年8月25日
備考:後ろの壁から台座となる雲の部分に支柱を通して大仏を支え、床から1mほど浮いて見える仕掛け。
総檜造りという木造の大仏は、大佛師(勢山社/滋賀県大津市)・渡邊勢山(わたなべせいざん)の手彫り。
西迎寺・大仏|新宿区
所在地:東京都新宿区舟町13
像高:2.37m
造立・開眼:元禄7年(1694年)
備考:幕臣・伏見勘七郎為智が父の供養のために造立した阿弥陀如来座像。
鋳物師は名工・椎名伊予守良寛。
多摩地区
寳光寺(鹿野大佛)|日の出町
所在地:東京都西多摩郡日の出町平井3392
像高:12m
造立・開眼:平成30年4月
備考:鎌倉大仏(像高11.39m)を凌ぎ、東大寺大仏(14.7m)に次ぐ国内第2位の坐像。
国の伝統的工芸品となっている山形鋳物(やまがたいもの=平安時代後期に始まった歴史ある鋳物)の技術を用い、およそ5年の歳月を費やして完成した、まさに温故知新の大仏です。
春清寺(多摩大仏)|三鷹市
所在地:東京都三鷹市新川4-4-22
像高:3.35m
造立・開眼:昭和54年5月
備考:日本在住のスリランカの仏像彫刻家ダヤシリ・ソーマパーラが制作。
世界遺産に登録されるダンブッラの黄金寺院の仏像のような、スリランカの古典的なスタイルを模したもの。
善生寺(吹上大仏)|日野市
所在地:東京都日野市東豊田2-26-3
像高:4.85m(重さ8t)
造立・開眼:平成7年
備考:善生寺開創350年と釈迦生誕2560年を記念して建立。
日野七福神の大黒天を祀る寺です。
番外編
大仏パゴダ(上野大仏)|台東区
所在地:東京都台東区上野公園5
像高:像高6m(建立当時の全体で)
造立・開眼:1843(天保14)年
備考:越後村松藩の第9代藩主・堀直央(直寄の末裔)が大仏を新鋳して再建、仏殿を修復。
明治維新後に仏殿が破却され、大仏も関東大震災(大正12年)で頭部が落下。
資金難で再建ができずに昭和15年、軍への金属供出で胴部も失われて、昭和42年に祈願塔(大仏パゴダ)が建立され、昭和47年、寛永寺に安置されていた大仏の顔面部をレリーフとして安置。
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