地下鉄で駅間最短の区間は東京にあります。JRの駅間最短も東京にあり、山手線の日暮里駅〜西日暮里駅で0.5kmですが、東京メトロ丸ノ内線の新宿駅〜新宿三丁目駅は、駅間距離がなんと300mしかなく、地下鉄の上の地下街、メトロプロムナードを使う人も多いという場所です。
地下鉄の上に位置するメトロプロムナードは人気の広告スポット
山手線に駅間最短が生まれたのは、日暮里駅〜田端駅間に昭和46年4月20日、すでに先行して開業していた営団地下鉄との乗換駅として西日暮里駅が開業したからです。
それに対して新宿三丁目駅は、昭和34年3月15日の丸ノ内線(池袋駅〜新宿駅間)の全線開通時に開業しているので、後から割り込んでつくられた駅ではありません。
なぜ新宿三丁目に駅ができたかといえば、もともと新宿追分という交通の要衝、繁華街だったから。
江戸時代には内藤新宿と呼ばれる甲州街道の宿場町で、宿場内に甲州街道と青梅街道が分かれる新宿追分がありました。
あまり知られていませんが京王帝都電鉄(現・京王電鉄)も大正4年5月30日、新宿追分駅(現存していません)〜 調布駅間が全通し、新宿追分に本社を構えていました。
新宿駅周辺がターミナル駅として発展するのは昭和初期、小田急や京王が新宿駅に乗り入れてからで、それまでは新宿追分界隈が「新宿の中心」だったのです。
帝都高速度交通営団(営団地下鉄)も内藤新宿に由来する「新宿の中心」を無視することもできず、新宿三丁目駅、新宿御苑駅を設置しているのです。
そのため新宿駅〜新宿三丁目駅は300m、新宿三丁目駅〜新宿御苑駅も400mという駅間距離になっていて、新宿駅から新宿御苑駅も、メトロプロムナード経由で十分に歩ける場所になっているのです。
新宿サブナード・西武新宿線、伊勢丹新宿店や新宿高野(タカノフルーツパーラー)、新宿中村屋、紀伊國屋書店などへの人の流れもあるため、メトロプロムナードは人通りも多く、ポスターボード、デジタルサイネージなどが設置され、各種キャンペーンの広告掲示としても貴重な場所になっています。
とくに大型なのは、縦2.06m、横14.56m、B全ポスター10連で2段というもので、デジタルサイネージ などとあわせて企業のキャンペーンに利用されています。
地下鉄で駅間最短の区間は、東京に! | |
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