東武大師線をご存知だろうか!? 東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の西新井駅から分岐し、大師前駅を結ぶ1.0kmという短い距離の盲腸線。単線で、終着駅の大師前駅(だいしまええき/東京都足立区)は、自動改札機、自動券売機、自動精算機はおろか、改札すらない無人駅になっています。
年間、460万人もの人が、改札口のない巨大無人駅を利用
大都市圏の私鉄は、当初、有名寺社への参詣者を運ぶ目的で敷設された路線が数多くありますが、この東武大師線もそのひとつ(京急大師線は川崎大師への路線)。
西新井大師への参詣者輸送を目的に、昭和6年12月20日、西板線として西新井駅 – 大師前駅間が開業しています。
当初の距離は1.1kmありましたが、環七通り拡幅のため大師前駅を移転し、1.0kmに短縮されています。
東武大師線には伊勢崎線からの乗り入れはなく、単独の盲腸線。
2両編成の電車(東武8000系で亀戸線と共通運用)がワンマン運転で折り返し運転されています。
乗車券の購入、ICカードのタッチは、西新井駅構内の「大師線のりかえ改札口」に自動改札機を設置(大師線ホーム側に自動券売機を設置)。
つまりは、大師前駅の自動券売機と改札が西新井駅大師線ホームにあるということ。
逆に大師前駅に向かう場合は西新井駅で運賃支払い処理をする必要があります。
大師前駅から乗車の際には少し戸惑いますが、乗車券を購入することもなく、改札にタッチもなく、スルーして乗車することに。
ちょっぴりヨーロッパの鉄道に似た感じで、ドキドキしてしまいます。
大師駅の乗降人員は、2023年度は1万2557人(定期以外の「ドキドキ派」は4627人)で、スカイツリー線では鐘ケ淵駅に匹敵し、堀切駅の4倍にもなります。
とくに弘法大師縁日の毎月21日、正月三が日は、駅もかなりの賑わいになります。
年間、460万人(定期以外だと170万人)もの人が、改札口のない巨大無人駅を利用するという少し異色の光景が展開するので、東武大師線と西新井大師参拝(門前の草団子が名物)のワンデイトリップをぜひ!
ちなみに東武大師線では、添乗員付き自動運転(GoA3)が、2027年度以降の運用開始を目指して検証も行なわれています(2023年度は、前方障害物検知システムや地上センサの検証を実施)。
その意味では、最先端の鉄道路線にもなっているのです。
終着駅なのに「券売機、改札のない巨大無人駅」が東京23区に! | |
所在地 | 東京都足立区西新井1-3-1 |
場所 | 大師前駅/だいしまええき |
関連HP | 東武鉄道公式ホームページ |
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