東京都千代田区、江戸城を取り囲む内堀のうち、南東側、半蔵門から桜田門までの部分が、桜田濠(さくらだぼり)。現在は皇居を囲む濠ですが、広いところの水部で幅115m、上端で215mという江戸城最大の濠。しかも自然地形の谷地を活かして築かれているため、石垣ではなく土居で、風光明媚な光景を生み出しています。
広重も『名所江戸百景』に描いた美しい濠
補強のために基部を石垣(腰巻石垣)にした腰巻土居、石垣(鉢巻石垣)が上端にあり櫓や土塀の基礎とした鉢巻土居が組み合わされています。
また、1段目に腰巻石垣、2段目にもうひとつ腹巻石垣を組み、さらに3段目に3mの鉢巻石垣をのせる3段構造の土塁式石垣もあり、天下普請(てんかぶしん)での築城だということがよくわかります。
屏風折(びょうぶおれ)と呼ばれるように屈曲しているのは、もし城攻めにあった際には横から矢を射る横矢掛(よこやがかり)が仕掛けられる仕組みです。
皇居正門前に位置する二重橋の架かる濠も実はこの桜田濠(その一帯は石垣)で、皇居外苑でもっとも有名な撮影スポットになっています。
特別史跡江戸城跡に指定される江戸城ですが、歌川広重も『名所江戸百景』のなかで、第66景となる『外桜田弁慶堀糀町』を描いています。
構図的には桜田門(外桜田門)から桜田濠越しに、西側の国会議事堂方面を眺めたもので、屏風折の土居が右端に描かれています。
現在では日比谷方面を眺め、ビル群との対比を構図にするカメラマンも多く、夜景も狙い目となっています。
桜田濠 | |
名称 | 桜田濠/さくらだぼり |
所在地 | 東京都千代田区千代田1 |
電車・バスで | 東京メトロ桜田門駅から徒歩1分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
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