西武鉄道7号蒸気機関車

西武鉄道7号機関車

東京都品川区東品川3丁目にある東品川公園に静態保存されているのが、西武鉄道7号蒸気機関車。明治30年、伊賀鉄道がアメリカのピッツバーグに発注、伊賀鉄道が開業しなかったため、阪鶴鉄道(はんかくてつどう) が明治32年、12号として購入したタンク式蒸気機関車。最後の籍が西武鉄道だったため、西武鉄道7号蒸気機関車と呼ばれています。

明治30年、ピッツバーグ生まれの蒸気機関車を静態保存

輸入を計画した伊賀鉄道は、宇治山田駅〜鳥羽駅間に鉄道を敷設する目的で明治26年創立しましたが、路線工事中に株主と紛争して破綻した幻の鉄道(軌間1067mm)。
開業を控えて、南海鉄道、播但鉄道などが明治29年に輸入していたアメリカのピッツバーグ・ロコモティブ・アンド・カー・ワークス社(Pittsburgh Locomotive and Car Works)に3両の蒸気機関車(製造番号1709〜 1711)を発注、このうちの1両が現存する明治30年製造、西武鉄道7号蒸気機関車です。

伊賀鉄道は開業しなかったため、尼崎から福知山を経て舞鶴を結ぶ計画で尼崎駅〜伊丹駅などが開業していた阪鶴鉄道がA1形Nos. 1 〜3として買い取り(Nos. 1とNos. 3は明治37年、高野鉄道に譲渡)、阪鶴鉄道が明治40年、国有化されてたことでNos. 2は、2850形2851号に。
大正8年に播丹鉄道(ばんたんてつどう=現在のJR播但線)に譲渡され、L3形-6に。
昭和18年、播丹鉄道の国有化により再度鉄道省に移って2851に、その後、鉄道省で運用されることはなく昭和20年、西武鉄道に移り、7形7号機として国分寺線で旅客列車牽引、多摩川線での貨物列車牽引、在日米軍兵器補給廠側線での入れ換え用途などで使用。
昭和37年に上武鉄道に譲渡されましたが、昭和40年11月1日付けで廃車となり西武鉄道に返却された変遷を重ねながらも廃車を免れた歴史ある機関車です。
西武鉄道返還後は使用されることなく、昭和44年3月から東品川公園で静態保存されています。

西武鉄道7号蒸気機関車
名称 西武鉄道7号蒸気機関車/せいぶてつどうななごうじょうききかんしゃ
所在地 東京都品川区東品川3-14-9
電車・バスで 京急新馬場駅から徒歩10分
駐車場 4台/有料
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東品川公園

東品川公園

東京都品川区東品川3丁目にある面積0.9haの品川区立公園が、東品川公園。品川警察署の東側にある地域の中核的な公園で、交通公園、運動公園の機能も有し、有料駐車場も備わっています。西武鉄道7号蒸気機関車が静態保存されるほか、品川燈台(縮小模造

西武鉄道7号機関車

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