平和の森公園（中野区）

東京都中野区新井にある区立公園が、平和の森公園。前身は、明治43年に開設された豊多摩刑務所（後に中野刑務所）で、昭和58年3月に廃庁閉鎖となり、跡地に5.47haの平和の森公園が開園。草地広場、多目的運動広場、水辺の広場、遊具広場、区内唯一のドッグランなどが配され、散策にも絶好です。

中野刑務所跡地が緑滴る公園に

豊多摩刑務所には大正14年に制定された治安維持法に抵触した政治犯や思想犯が収容され、昭和20年10月4日、GHQによる人権指令「政治的、公民的及び宗教的自由に対する制限の除去に関する司令部覚書」により廃止が要求されましたが、東久邇宮内閣はその要求を拒絶し内閣総辞職。
その後、ポツダム宣言の受諾で、ようやく治安維持法、特別高等警察が廃止され、民主的な刑法、警察制度が導入されたのです。

昭和21年3月からはGHQが接収し、米陸軍刑務所（U.S. Eighth Army Stockade）として使用。
昭和31年9月、米陸軍刑務所閉鎖され、日本に返還されたことを受け、中野刑務所として昭和58年3月まで存続していました。
戦前には治安維持法違反で、大杉栄、荒畑寒村、小林多喜二、中野重治などが収監されています。

往時の名残としては1915年築の正門（設計は司法省技師・後藤慶二）が現存。