江戸三大祭りのひとつに数えられる「三社祭り」が行なわれることでも知られる、東京都台東区、浅草にある古社。『浅草寺縁起』に登場する、隅田川で浅草寺の御本尊を感得した桧前浜成命(ひのくまのはまなりみこと)、桧前竹成命(ひのくまのたけなりのみこと)兄弟と、土師真中知命(はじのまつちのみこと)を祭神として祀っています。
『三社祭』の三社とは三社権現(浅草神社の旧称)のこと
社伝によれば、浅草寺の本尊を拾い上げた漁師の兄弟と当時の郷土の文化人だった土師真中知の3人を祀るため、平安末期〜鎌倉時代にかけて創建されたと伝えられています。
明治初年の神仏分離で浅草寺と分かれましたが神仏混淆時代には一体化し、浅草寺創建にかかわる3人の霊をもって「三社権現(さんじゃごんげん)」と称されていました。
浅草寺本堂東隣に鎮座するのはそのためです。
権現とは、仏や菩薩(ぼさつ)が仮(=権)に姿を変えて日本の神として現れること。
中世の仏教の隆盛とともに神道が習合して、権現という考えが生まれました(元の仏様が本地仏)。
浅草神社は今も「三社権現」や「三社明神」、「三社さま」と呼ばれ親しまれています。
朱塗りの社殿(拝殿・幣殿・本殿)は3代将軍・徳川家光の寄進で1649(慶安2)年に建てられたもの。精緻な彫刻の見事さ、彩色美しさなど、江戸時代初期の神社建築を知る上でも貴重なもので国の重要文化財に指定されています。
5月中旬の金・土・日曜の例大祭は「三社祭り」として盛大に行なわれます。
また、4月に隅田公園で行なわれる『浅草流鏑馬』は、正月に三社権現(現在の浅草神社)に奉納された流鏑馬が復活したもの。
「浅草名所七福神」の恵比寿様を祀っています。
浅草5丁目に鎮座する浅草富士浅間神社は境外社。明治以前の神仏混淆(しんぶつこんこう)時代には浅草寺の子院・修善寺が管理していました。江戸の富士山信仰(富士講)を今に伝える社です。富士山山開きの日の7月1日に例大祭を斎行。5月6月最終土・日曜の4日間に『お富士様の縁日 植木市』が開かれます。
幕末の1852(嘉永5)年に記された『武江年表』によれば、浅草花川戸に住む老婆が貧しさゆえに愛猫を手放しましたが、愛猫は夢枕に現れ、自らの姿を今戸焼で作り、販売すれば財を築くことができると告げました。浅草寺三社権現(現・浅草神社)鳥居辺りで売ったところ、人気をよんだのだという。丸〆猫(まるしめのねこ)、招き猫とよばれたこの人形が記録に残る招き猫のルーツ。
浅草神社のおもな年中行事
1月1日=初詣・歳旦祭/11:00〜歳旦祭は参列ができません
1月3日=元始祭/10:00〜
節分の日=節分祭追儺式/15:00〜節分祭の後に福豆まきが執り行なわれます
3月18日=被官稲荷神社例大祭/10:00〜浅草寺本尊示現会(3月18日の早朝、檜前浜成・竹成兄弟が江戸浦で浅草寺の本尊を感得)
5月第3金・土・日曜=浅草神社例大祭(『三社祭』)/神輿の渡御があります
6月30日=夏越の大祓/15:00〜半年間知らず知らずのうちに積もった罪と穢(けがれ)を祓います
11月15日=七五三奉祝祭/15:00〜
12月31日=年越の大祓・除夜祭/15:00〜半年間知らず知らずのうちに積もった罪と穢(けがれ)を祓います。22:00〜除夜祭を斎行
『江戸切絵図』に見る浅草寺・三社権現(浅草神社)周辺
浅草寺の北東側、新吉原にかけてはまだ江戸時代にはのどかな田畑が広がっていたことがわかります。今の仲見世一帯には浅草寺の塔頭(たっちゅう)寺院が並んでいました。
浅草神社 | |
名称 | 浅草神社/あさくさじんじゃ |
所在地 | 東京都台東区浅草2-3-1 |
関連HP | 浅草神社公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ銀座線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス浅草駅から徒歩7分。都営地下鉄浅草線浅草駅から徒歩10分。 |
ドライブで | 首都高速駒形ランプから650m、または、上野ランプから約2.2km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 浅草神社 TEL:03-3844-1575/FAX:03-3841-2020 |
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