「東京の地下鉄は核シェルター」説は本当か!?

かつては都市伝説といわれていた「東京の地下鉄は核シェルター」説。ロシア軍のウクライナ侵攻で、俄然、注目されたのが空爆の避難所(シェルター)ともなったキーウ地下鉄(キエフ地下鉄)。第二次世界大戦では、空襲に苦しんだ首都・東京。「ひょっとして」と考える人も多いのだとか。

キーウのアルセナーリナ駅は、なんと地下105.5mに

キーウ地下鉄はシェルター構造に

ロシアのウクライナ侵攻で、ニュースにも登場したキーウ地下鉄。
ウクライナの首都キーウの市内深部を走る地下鉄で、多くの市民が地下鉄の構内で寝泊まりしながら避難生活を送る姿が報道されました。
そして、北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本のEEZ(排他的経済水域)の内側に落下・・・。
その報道を見て、再燃した「都市伝説」が、「東京の地下鉄は核シェルターになっている」という話。

東京の地下鉄は、東京メトロ有楽町線が、永田町駅、桜田門駅、そして防衛庁のある市ヶ谷駅を通る、南北線も永田町駅、市ヶ谷駅、半蔵門線も永田町駅、丸ノ内線と千代田線は国会議事堂前駅もあります。
国会議事堂前駅では丸ノ内線ホームは国会議事堂の敷地真下にあり、東西に伸びているので、いざというときに、国会議員たちは地下に避難という推測も当然生まれます。

国際連合広報センターによると、20メガトン級の大型核弾頭が地表で爆発した場合、半径800m、深さ90mという巨大な穴が開くとのこと。
レーザー誘導地中貫通爆弾で「バンカーバスター」を使うと、地下30m、鉄筋コンクリート防壁がある場合には6mまでが攻撃可能となっています。
キーウ地下鉄の最深、アルセナーリナ駅は、なんと地下105.5mに築かれていて、20メガトン級の大型核兵器の爆発にも耐える構造です。

対する日本の首都を走る地下鉄の駅は、最深の六本木駅が地下42.3m、問題の千代田線・国会議事堂前駅は地下37.9m、半蔵門線・永田町駅が地下36.0mで、空爆の際の防空壕にはなるかもしれませんが、キーウ地下鉄に比べるとはるかに見劣りします。

東京メトロの話でも「地下深くにホームがあるのは、あくまで構造上の問題」とのこと。
つまりは、東京の地下には、上水道、下水道、道路、既存の地下鉄などが張り巡らされ、すでに地下迷宮の状態。
あらたに地下鉄を敷設しようとすれば、網の目をかいくぐって、さらに深い場所に通すことになるのです。

結論をいえば、「東京の地下鉄は核シェルター」説はあくまで、都市伝説という事に。

地下深くを走るキーウ地下鉄
「東京の地下鉄は核シェルター」説は本当か!?
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東京のモグラ駅、深さランキング TOP10

東京都交通局によれば、「駅の深さ」とは駅中心位置の地表からホーム面までの距離を示すもの。都営地下鉄の六本木駅の汐留方面行きホームは地下7階、地表から42.3mにあり、日本の地下鉄で最も深いホームとなっています。単に海抜でいえば、東京メトロ半

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